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製作:1995年12月28日
記事:1995年12月30日
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昔、マニアホビーという、名前通りマニアックな日本機ばかりをキット化していたメーカがあったが、御他聞にもれず、いつのまにかつぶれてしまった。
このマニアホビーが作った唯一の1/48キットがこの97式戦である。
15年前ぐらいの発売であったと思うが、細部まで良くできたキットで、いまでも(たぶん将来に渡っても)問題なく決定版である。
マニアホビーが無くなってから金型は全てハセガワに移り、おかげで現在でも手に入れることができる。
ちなみに、1/32と1/72しか作っていなかったハセガワから発売された最初の1/48キットが、この97式戦であったと思う。
それからのハセガワの経緯を考えると、このキットがアニアホビーから流れたことが、現在の1/48ラインアップ開始の要因の1つだったとも思える。
今回製作したキットはハセガワ製のものである。
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◇コクピット・キャノピー
コクピット内のパーツも揃っており、充分なできである。シートベルトのみドラフティングテープで追加してある。内部色は最近発売のコクピット内部色(中島系)を使用してみた。
キャノピーは少々、ぶ厚いがそのまま使用してある。キャノピーに被われる胴体部分の色はダークグレイである。
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◇胴体
この当時の流行?で、全面に凹彫りでパネルラインとリベットが表現してある。
最近の繊細なパネルラインのみのキットと較べると多少うるさい気もするが、塗装してしまうとけっこう目立たなくなるものである。
全体形は問題ないが、主翼とエンジンカウリングとの接合部ですき間と段差ができるので、パテで修正した。
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◇主翼・尾翼
主翼には、増槽、ガンカメラ、照明火(演習用の発煙筒か?)などの取り付け穴が開いているので、不要なものは延ばしランナーなどで埋める必要がある。今回は増槽のみ使用することとした。
尾翼はフィレット部と段差ができるので、段差が目立たないよう、上面を面一になるように接着してある。
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◇エンジン・プロペラ
エンジンも良くできているが、エンジン上部にキャブレタ用の楕円形の空気取り入れ口が2つ付いているので、3mm径ほどの金属パイプで再現してある。わたしは、ちょうど良いサイズのハトメがあったので、これを加工して取り付けた。
プロペラは、多少もっさりした感じなので、やすりですっきり仕上げたいところだが、失念してしまった。プロペラ中央の金具はオーバーサイズなのだが、作り直すにも形状がめんどうだし、あまり気にならないようなので、そのまま使用した。
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◇降着装置
それぞれ、スパッツ付きの固定脚と尾橇なので、これ自体は何もすることがないが、珍しいことに97式戦は主脚のロッド先端部が主翼上面から突き出ている。
キットのままだと、何がなんだか分からないモールドので、2mm径の穴を開けてから、延ばしランナーでロッドを再現して、いかにも上下するようにして見た。
見栄え優先で、このロッドはキットのモールドより多少長めにしてやった。
機体によっては、小型スパッツ(泥除け程度のもの)付きの低圧タイヤや尾輪に換装されている。
ちなみに、同じアニアホビーから発売された(現在はハセガワブランドで発売)1/72の97式戦には、低圧タイヤの部品も入っていた。ガンカメラや照明火のオプションパーツもいいが、小型スパッツや低圧タイヤのパーツのほうがありがたい。
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◇小物
ピトー管も、金属パイプや金属線などで作り直したいところだが、めんどうな形なのでキットの部品を使用してある。
なお、今回選んだ独立飛行第84中隊の機体にはアンテナマストは付いていない。
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◇塗装・マーキング
塗装は全面明灰白色。マーキングは有名な独立飛行第84中隊としたが、キットの指定機体ではなく、胴体の帯と尾翼の数字が青色の83番機(乙型)とした。
この機体の色の組み合わせの方が、スマートな気がしたからである。
塗装はコクピット両わきの戦隊マーク以外は、全てマスキング&エアブラシで行い、最後にクリアを全体にエアブラシして仕上げた。
よごしは、薄めたアクリル系のダークグレイによるスミ入れのみで、汚くならないように最小限にとどめてある。
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◇まとめ
悩んだのが、カウリングに書き込まれ機銃調整用の目盛りであった。
確かに、キット指定の30番では、この目盛り部分の赤色では無く別な色(たぶん明灰白色)になっているが、83番機などの仏印(現在のベトナム)で撮影された機体では、カウリングは全て赤色のようである。
また、この目盛りは書き込まれていない機体も多数確認できる。結局、カウリングは全て赤色とし、黒色のデカールを使用した。
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◇参考資料
1) 世界の傑作機(新シリーズ)No.7 陸軍97式戦闘機
2) 日本陸軍機の塗装とマーキング戦闘機編(モデルアート4月号臨時増刊)※増原氏より借用
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