MODELLBAU
1:48 中島 1式戦闘機 隼I型 (Nichimo)

Type1_HayabusaI_1
製作:1995年12月6日
記事:1995年12月22日
ニチモが大戦中の日本機に力を入れていた時期の、最後?キットだと思うが、このシリーズの集大成的な内容で、不必要と思えるほど細部に凝っている内容である。

プロポーションは良好で細部についてもほとんど問題なく、1式戦闘機 隼の決定版キットである。
細部では、コクピットやエンジン部分には多くのパーツが使用されており、精密感を高めていると同時に、組み立てにくい要因ともなっている。

◇コクピット・キャノピー
燃料パイプのバルブなどが別部品になっているほどなのだが、なぜかスロットルが胴体と一体モールドだったり、多少ちぐはぐな構成である。部品は全て?揃っているようなので、ストレートに組んだだけである。
組立の問題点としては、計器パネルの取付位置がはっきりしなくて困ってしまった。この計器パネルはデカールとモールドの2種類入っているが、モールドを丁寧に塗り分けて仕上げたほうが見栄えがすると思ったので、モールドの方を使用してある。

◇胴体
外形やモールドやパネル位置などには全く問題がない。ただ、凹パネルラインは良いのだが、全面に打たれたリベットが、多少うるさい感じである。
また、キット表面もこの当時はやっていた梨地仕上げになっている。これは、迷彩塗装をする場合には問題とならないが、銀塗装の時は下地作りに充分な注意が必要である。

◇主翼・尾翼
両方とも後縁が厚いが、モールドの関係から手をつけなかったが、塗装してみるとあまり気にならなくなった。
主翼上面の主脚足出し確認棒は金属棒で作り直してある。
主翼上面には滑り止めのモールドが両側ともついているが、左側のみが正解のようだ。私は、後で気がついたため、左側のみ塗装してごまかしてある。
このキットの左翼には、着陸灯がクリアパーツで再現されているが、I型ではついていないようなのでプラ板で塞いである。

◇エンジン・プロペラ
エンジン全面についている、オイルクーラに縁が余計のようだが、修正していない。このオイルクーラは、金属パーツ(エッチングパーツなど)で作り直したい部分である。
エンジンの取り付け架が大きいせいか、組み立てが悪いせいか、エンジンが1mmほど出っぱってしまったので、調整してある。
排気管は、モールドが浅すぎて感じが悪いので、ピンバイスとデザインナイフで、できるだけ深いモールドに修正した。

プロペラ・スピナーはキットのままである。スピナー先端のフックもモールドされている。

◇降着装置
主脚のオレオ部分のカバーは感じが悪いので、一度削り落としてからパテで再現し直してある。さらに、トルクリンクをプラ板で作り直し、ブレーキパイプを追加した。主脚カバーもプラ板から作り直してある。
この、主脚カバーはI型とII、III型では多少違っているので注意したいところである。

尾輪のカバーもただの台形のモールドなので、パテ盛りでゴム(布?)らしく仕上げてある。

Type1_HayabusaI_2 Type1_HayabusaI_3 Type1_HayabusaI_4
◇小物
ピトー管を金属パイプと金属棒で作った以外は、キットのパーツをそのまま使用したが、アンテナマストの先端の形状は少々違っているので、直したかった所である。
落下タンクは装備させなかった。

◇塗装・マーキング
マーキングは飛行第11戦隊として尾翼の”稲妻”は第1中隊の白色とした。この塗装は写真で見た訳ではないが、隼T型のイメージに合っているのと、全体のバランスが良さそうなので採用してしまった。

塗装は下面:灰緑色、上面:暗緑色+暗褐色の迷彩。塗装は、マスキング+エアブラシでデカールは使用していない。
わずかに、アクリルのグレイや黒、レッドブラウンなどでスミ入れやウォッシングを施し、クレパスの粉をドライブラシして汚れを表現してみた。
仕上げに、マットを強くしたクリアで艶を整えて完成とした。

アクセントに給油口のフタや、主脚の指示棒を赤く塗り、アンテナの引き込み部分を白く塗ってある。

◇まとめ
ちょっと、”汚し”に失敗したようだ。前面にリベットが打ってあるキットは、この辺りが難しい。また、環状オイルクーラも取って付けた感じで、印象を悪くしている。
キットとしては、作り難くもないが、機種が地味なこともあって、2機目を製作する意欲は湧いてこない。

◇参考資料
1) 世界の傑作機(新シリーズ)No.13 陸軍1式戦闘機隼
2) 日本陸軍機の塗装とマーキング戦闘機編(モデルアート4月号臨時増刊)※増原氏より借用した