MODELLBAU |
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1:48 中島 1式戦闘機 隼II型 (Ootaki) |
製作:1995年10月18日
記事:1995年12月22日 |
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オオタキの1/48シリーズでも初期キットであり、そちらこちらに問題点が多いキットである。
隼は有名な割には、良いキットに恵まれていなかったが、今年は敗戦(決して終戦ではない)から50年にあたり、ファインモールドから1/48II型、III型?が出たようだし、アオシマから1/72でいくつか出ているようだ。 ただ、なんと言っても値段の安い(ファインモールドの1/10程度)このキットの存在価値は大きく、将来の飛行機モデラーのためのスタートキットとして、いつまでも販売して欲しいものである。 このキットは、本気で改修するとたいへんな目に合うので、一番目につく機首回りを中心にできるだけ手を入れて見た。 |
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◇コクピット・キャノピー
計器パネルやコクピット内部は、良く分からなかった(キットはニチモのT型のものとは全然違うが、T型とU型でどう違うのかも分からなかった)ので、キットのままである。
座席は変なデッパリがあるので、タミヤの疾風のものを流用し、シートベルトをドラフティングテープ追加してある。 また、照準器には薄い透明プラ板でフィルターを追加した。 キャノピーは、透明度が悪く若干低いようだが、そのまま使用した。 |
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◇胴体
カウリング直後から、主翼付け根までが短いようなので、一度切り離してから、プラ板をはさみ込み2mmほど延長してある。さらに、カウリングはプラ板とパテで一回り大きくしてある。
後から気がついたのだが、キャノピーは防火壁回りから見て、2mmほど前過ぎるようである。さらに、胴体の上部ラインは、キャノピー付近で一度盛り上がるのが正解のようだが、改修がたいへんなのでキットのままにしてしまった。 |
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◇主翼・尾翼
主翼の基本形は良いと思うが、フラップが短過ぎる(もっと、中央まで延びている)のと、付け根上部の接合ライン違うのは最低でも修正したい所である。
翼端の着陸灯もオオタキのキットの通例でムクになっているので、プラ板で仕切を付け、ライトを仕込み、塩ビ板をヒートプレスして仕上げてある。 |
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◇エンジン・プロペラ
エンジンはタミヤ1/48の零戦から流用も考えたが、カリング開口部が小さくあまり見えなくなるので、キットのものをそのまま使用してしまった。
プロペラ・スピナーも不満が残る部分だが、キットのまま使用してある。ただ、スピナー先端のフックだけは延ばしランナーで追加工作してある。 |
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◇降着装置
主脚のオレオ部分はゴムブーツで覆われているので、パテ盛りで再現してみた。さらにトルクリンクをプラ板と延ばしランナーで作り直し、ブレーキパイプを追加してある。
主脚カバーもプラ板から作り直してあるが、このカバーはT型とU型以降では、多少違っているので注意したいところである。 尾輪は根元のカバーが表現されていないので、パテ盛りでゴム(布?)カバーを再現してある。 |
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◇小物
ピトー管を金属パイプと金属棒で作った以外は、キットのパーツをそのまま使用した。また、胴体下面の燃料冷却器は付けていない機体が多いので外してある。
落下タンクはキットの物を整形して使用し、揺れ止めはタミヤ1/48疾風から流用した。 |
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◇塗装・マーキング
マーキングは有名な、飛行第64戦隊の第2中隊機とした。これは、資料(2)の91ページに写真が載っている。
銀塗装に暗緑色のまだら迷彩とした。動翼の布張り部分は緑灰色である。マーキングはデカールはいっさい使わず、マスキング&エアブラシで仕上げてある。 手順としては、まずマーキングをエアブラシ塗装で仕上げ、マスキングしてから、銀塗装→迷彩→反射防止塗装の順で、作業を行った。銀塗装の場合はこの順番が良いようだ。 最後に、半艶消しのクリアで、全体の艶を整え、アクリル塗料やパステルで、軽く汚しを掛けてある。 |
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◇まとめ
完成して、全体形をチェックすると、やはりコクピット付近が、実機では若干盛り上がっているところが、このキットでは逆にへこんでおり、イメージを悪くしている。
ここ辺りは、ニチモのキット(I型)は良くできているようだ。
これ以外は、カウリングが前進して、ボリュームアップしており、細部もそこそこ手が入ったので、だいぶ良くなっていると思う。 特に、主翼前面の着陸灯は、ここだけで全体の精密感をアップするのに、大きく貢献している? |
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◇参考資料
1) 世界の傑作機(新シリーズ)No.13 陸軍1式戦闘機隼
2) 日本陸軍機の塗装とマーキング戦闘機編(モデルアート4月号臨時増刊)※増原氏より借用した |