MODELLBAU
1:48 中島 2式戦闘機 鍾馗II型 (Ootaki)

Type2_Syoki_1
製作:1995年6月22日
記事:1995年6月25日
オオタキの古いキットであるが、これしかないと思って本気で作り込むつもりで作業を始めた途端に、ハサガワから新キットリリースの情報が入ったため、急きょ方針転換となった。
基本方針としては、以下の項目に沿って進めた。
 1) 基本的な部分には手をいれない
 2) 塗装は手を抜かずに行う(新しい技法を積極的に)

このキットを製作して見て、エンジンや主輪ハブの金具、乗降用の足掛けなどメーカが当時の資料や技術力の範囲で良くやっていると感心させられた。
このキット発売当時の定価は、確か300〜400円ぐらいであったはずだし、当時の資料(1)に掲載されていた図面と照らし合わせて見ても、このキットはピッタリにできている。

◇コクピット・キャノピー
多少、手を加えたのだが、キャノピーの透明度が悪く、完成後は全然見えなくなってしまった。
座席はタミヤの疾風から流用し、照準器を自作してある。

◇胴体
機首直後の絞り込みが足りず、長さも2〜3mm短いようだがそのままである。

◇主翼・尾翼
ここもそのまま。
主翼前縁の着陸灯もキットのままムクとしてしまったが、さすがにこれだけ大きい透明部分が、銀塗装だけでは完成した姿に寂しいものがある。

◇エンジン・プロペラ
エンジンは良くできていると思う。(オオタキ後期のキットはエンジンが手抜きとなる)
プロペラは若干細いような気がする。

◇降着装置
それらしくできているが、部品の寸法精度が悪く、そこら中で干渉してしまう。
主輪はなんと4個のパーツからできているのだが、ハブがタイヤの幅より長いので1mm強切り詰めた。また、主脚カバーも3mmぐらい詰めないと、主翼と干渉してしまう。

Type2_Syoki_2 Type2_Syoki_3 Type2_Syoki_4
◇小物
アンテナマストが小さすぎるので、プラ板から作りなおした。
増加タンクの取り付け方法は、これで良いのだろうか?

◇塗装・マーキング
基本塗装は全面銀塗装とすると、このキットの全面に打たれたリベットがうるさくなると思い、下面:銀、上面:緑褐色のベタ塗りとした。
マーキングは、資料(2)の記事から飛行第70戦隊第3中隊とし、本土防衛白帯付きとした。銀塗装時には胴体に番号は入れていたようだが、上面色をベタ塗りされた時に、塗りつぶされたことにして、入れていない。
塗装・マーキングは全てマスキング+エアブラシで仕上げてある。塗装が終わったら、アクリル系のフラットブラック+ジャーマングレイを極々薄めたもので全体をウォシングしてある。さらに、塗装のはがれを再現するために、銀色をドライブラシによりこすり付けて見た。

排気管や薬きょう排出口のススなどは、フラットブラックをエアブラシして表現してある。
最近のはやり?として増加タンクは黄橙色としてみた。

◇まとめ
できあがると、さすがに塗装で済ませてしまった、主翼前縁の着陸灯や、修正しなかったカウルフラップなどが、気になるが作り込む時の手間暇を考えたら、ハセガワの良いキットがある現在では、これで良かった気がする。
確かに、現在の目で見るとだいぶ不満が出るキットではあるが、あまり細かいことを言わずに完成させて正解のキットであろう。
この調子で、いくつかあるこの手のキットを消化して行く気力が出てきた。

◇参考資料
1) 世界の傑作機 鍾馗 1973年14集
2) 日本陸軍機の塗装とマーキング戦闘機編(モデルアート4月号臨時増刊)
※資料(2)は増原氏より借用した。