1:48 中島 4式戦闘機疾風 (Tamiya)

MODELLBAU
1:48 中島 4式戦闘機疾風 (Tamiya)

	製作：1995年5月25日記事：1995年5月28日
	タミヤの1/48キットの中で、プロペラ機としては一番最初に出たキットであるが、当時は機首回りなどに見られる繊細な表現に驚かされたものである。現在の目で見ると、主翼の厚過ぎることや機首のボリューム不足、キャノピーの高さ、尾翼のサイズなど気になる点も多いが、表面モールドなどは今でも一級品である。さらに、シンプルな部品構成と組み立て易さなどは、最近の部品点数がやたら多く（エッチングパーツなども入って）作りにくくなっているキットが多いで中では、評価できるものではないだろうか。また、価格が安く、魅力的なキットでもある。
◇コクピット・キャノピーコクピットは床板や後部隔壁をプラ板から作り直してある。計器板は付属のデカールを使ってあるが、計器板の大きさに切ったプラ板を接着してから張り付けてある。照準器もプラ板から作り直してあるが、この照準器のリフレクタガラスには、おせんべいの袋などに入っている透明で薄いトレイが最高である。座席も形が悪いので、プラ板で作り直しシートベルトを追加してある。内部は明るめのダークグリーン、座席は銀色、シートベルトはグリーンとした。キャノピーは、3分割で作りやすく、透明度・形状とも文句なし
◇胴体機首部分のボリューム不足を修正するのと、胴体と主翼との間に隙間ができるのを修正するために、機首部分下部に1.2mmのプラ板をはさみ込んで接着し、幅を広げてある。このため、カウリング前部のパーツとカウリング本体パーツとの間に段差ができるが、ここはパテ盛りで整形してある。表面モールドは、凸彫りと凹彫りの混在なので図面を参考に彫り直し、尾翼部の点検パネルはラインが違うようなので、0.1mmのプラペーパで作り直した。
◇主翼・尾翼主翼は全体に厚く後縁も厚めだが、フラップガイドやエルロンのモールドの関係で修正しずらいので、そのままとした。ここも胴体同様にパネルラインを直してある。尾翼は逆に薄いような気がするが、パネルラインを直しただけである。
◇エンジン・プロペラエンジンは前半部分しか付いていないが、カウリングの開口部も小さくそのままでも特に気にならない。プロペラはこのキットの中で一番デキが悪いところで、是非修正してやりたい。平面形も多少違うが、何と言っても厚みがあり過ぎるし、プロペラ特有のピッチの微妙な変化がない。キットを元に削り出そうとも考えたが、めんどうなのでハセガワのP-51Dに入っているK型用のプロペラを流用した。このプロペラの根本部分を1.5mmほど切り詰めてやればぴったりである。
◇降着装置主脚柱にブレーキパイプを追加しただけである。この主脚だが、キットが古くなったせいか主翼への取り付け穴にガタがあり、取付角度を決めるのに一苦労した。

◇小物ピトー管を金属パイプと金属柱の組み合わせで作ったが、それ以外はキットのものを使用した。
◇塗装・マーキング塗装はいろいろ迷ったあげく、第1訓練飛行隊のものとしてしまった。この塗装は、別に写真とか塗装例があった訳ではなく、資料からの類推である。下面：明灰色、上面：暗緑色で、スピナーと主脚カバー下半分をブルーとしてやった。塗装がはがれた様子を再現しようと銀色を最初に塗って置いたのだが、本塗装の食いつきが良すぎて、思惑通りにはいかなかった。ヨゴシはミリタリー物の塗装に使用する、ドライブラシを応用して、黒やレッドブラウン、オリーブドラブで行った。また、失敗した塗装はがれを多少でも表現しようと、銀色でもドライブラシをかけてある。
◇まとめ塗装をして完成すると、主翼の厚みもあまり気にならなくなった。ただし、機首のボリューム不足は、いかんともしがたく、だいぶスマートな疾風となってしまう。このタミヤのキットはもうひとつストックがあり、エデュアルドのエッチングパーツも買い込んであるので、もう少しデティールアップと、機首のボリュームを何とかしたものを製作するつもりでいる。しかし、そろそろハセガワ辺りから新しい疾風のキットが発売されても良いと思うのだが？
◇参考資料今回は増原氏より資料をいろいろ貸して頂いて、だいぶ参考となりました。いつも、ありがとうございます。　1) 日本陸軍機の塗装とマーキング戦闘機編モデルアート 1989年4月臨時増刊号　2) 丸メカニック No.33 1982年3月号四式戦闘機疾風　3) 日本陸軍機四式戦闘機疾風モデルアート 1986年12月臨時増刊号　※以上、増原氏蔵書から借用　4) 世界の傑作機 No.20 四式戦闘機疾風 1971年10月号　5) 世界の傑作機 No.19 陸軍４式戦闘機「疾風」 1989年11月号　6) ホビージャパン No.71 1975年7月号折込図面
◇製作データ〇胴体日の丸 φ19（赤色部分）　　キャノピー後端の接合線より15ｍｍ後　　胴体下部パネルラインより4ｍｍ上〇主翼日の丸 φ24（赤色部分）　　主翼前縁より17ｍｍ　　主翼端より37ｍｍ

	製作：1995年5月25日記事：1995年5月28日
	タミヤの1/48キットの中で、プロペラ機としては一番最初に出たキットであるが、当時は機首回りなどに見られる繊細な表現に驚かされたものである。現在の目で見ると、主翼の厚過ぎることや機首のボリューム不足、キャノピーの高さ、尾翼のサイズなど気になる点も多いが、表面モールドなどは今でも一級品である。さらに、シンプルな部品構成と組み立て易さなどは、最近の部品点数がやたら多く（エッチングパーツなども入って）作りにくくなっているキットが多いで中では、評価できるものではないだろうか。また、価格が安く、魅力的なキットでもある。
◇コクピット・キャノピーコクピットは床板や後部隔壁をプラ板から作り直してある。計器板は付属のデカールを使ってあるが、計器板の大きさに切ったプラ板を接着してから張り付けてある。照準器もプラ板から作り直してあるが、この照準器のリフレクタガラスには、おせんべいの袋などに入っている透明で薄いトレイが最高である。座席も形が悪いので、プラ板で作り直しシートベルトを追加してある。内部は明るめのダークグリーン、座席は銀色、シートベルトはグリーンとした。キャノピーは、3分割で作りやすく、透明度・形状とも文句なし
◇胴体機首部分のボリューム不足を修正するのと、胴体と主翼との間に隙間ができるのを修正するために、機首部分下部に1.2mmのプラ板をはさみ込んで接着し、幅を広げてある。このため、カウリング前部のパーツとカウリング本体パーツとの間に段差ができるが、ここはパテ盛りで整形してある。表面モールドは、凸彫りと凹彫りの混在なので図面を参考に彫り直し、尾翼部の点検パネルはラインが違うようなので、0.1mmのプラペーパで作り直した。
◇主翼・尾翼主翼は全体に厚く後縁も厚めだが、フラップガイドやエルロンのモールドの関係で修正しずらいので、そのままとした。ここも胴体同様にパネルラインを直してある。尾翼は逆に薄いような気がするが、パネルラインを直しただけである。
◇エンジン・プロペラエンジンは前半部分しか付いていないが、カウリングの開口部も小さくそのままでも特に気にならない。プロペラはこのキットの中で一番デキが悪いところで、是非修正してやりたい。平面形も多少違うが、何と言っても厚みがあり過ぎるし、プロペラ特有のピッチの微妙な変化がない。キットを元に削り出そうとも考えたが、めんどうなのでハセガワのP-51Dに入っているK型用のプロペラを流用した。このプロペラの根本部分を1.5mmほど切り詰めてやればぴったりである。
◇降着装置主脚柱にブレーキパイプを追加しただけである。この主脚だが、キットが古くなったせいか主翼への取り付け穴にガタがあり、取付角度を決めるのに一苦労した。

◇小物ピトー管を金属パイプと金属柱の組み合わせで作ったが、それ以外はキットのものを使用した。
◇塗装・マーキング塗装はいろいろ迷ったあげく、第1訓練飛行隊のものとしてしまった。この塗装は、別に写真とか塗装例があった訳ではなく、資料からの類推である。下面：明灰色、上面：暗緑色で、スピナーと主脚カバー下半分をブルーとしてやった。塗装がはがれた様子を再現しようと銀色を最初に塗って置いたのだが、本塗装の食いつきが良すぎて、思惑通りにはいかなかった。ヨゴシはミリタリー物の塗装に使用する、ドライブラシを応用して、黒やレッドブラウン、オリーブドラブで行った。また、失敗した塗装はがれを多少でも表現しようと、銀色でもドライブラシをかけてある。
◇まとめ塗装をして完成すると、主翼の厚みもあまり気にならなくなった。ただし、機首のボリューム不足は、いかんともしがたく、だいぶスマートな疾風となってしまう。このタミヤのキットはもうひとつストックがあり、エデュアルドのエッチングパーツも買い込んであるので、もう少しデティールアップと、機首のボリュームを何とかしたものを製作するつもりでいる。しかし、そろそろハセガワ辺りから新しい疾風のキットが発売されても良いと思うのだが？
◇参考資料今回は増原氏より資料をいろいろ貸して頂いて、だいぶ参考となりました。いつも、ありがとうございます。　1) 日本陸軍機の塗装とマーキング戦闘機編モデルアート 1989年4月臨時増刊号　2) 丸メカニック No.33 1982年3月号四式戦闘機疾風　3) 日本陸軍機四式戦闘機疾風モデルアート 1986年12月臨時増刊号　※以上、増原氏蔵書から借用　4) 世界の傑作機 No.20 四式戦闘機疾風 1971年10月号　5) 世界の傑作機 No.19 陸軍４式戦闘機「疾風」 1989年11月号　6) ホビージャパン No.71 1975年7月号折込図面
◇製作データ〇胴体日の丸 φ19（赤色部分）　　キャノピー後端の接合線より15ｍｍ後　　胴体下部パネルラインより4ｍｍ上〇主翼日の丸 φ24（赤色部分）　　主翼前縁より17ｍｍ　　主翼端より37ｍｍ