MODELLBAU
1:48 三菱 2式水上戦闘機 (Tamiya)

Type2_Sea_Fighter_1
製作:1997年1月9日
記事:1997年1月12日
タミヤの一連の零戦シリーズでは2番目のもので、零戦21型のバリェーションとして、1973年に発売された、古いキットである。
最近ハセガワが零戦シリーズを発表しているが、2式水戦はガルテクスシリーズとなっており価格がべらぼうに高い。(なんと14,000円)このため、まだしばらくはプロポーションやディテール感が良く、値段も安いこのキットが、2式水戦のベストキットであろう。

しかし、さすがに25年の月日は流れており、各部に金型の痛みやバリが見られる。また、各部の合いが悪くなって?おり、小物パーツなども、現在の目で見ると少々問題があるようだ。
フィギュアは、座り姿と立ち姿の2体付いているが、さすがにミリタリーミニチュアのタミヤだけあって、今でも一級品のデキである。ゲタ履きの水戦なので、台車と乗降用のハシゴが付属している。

◇コクピット・キャノピー
キャノピーを閉めるつもりなので、コクピットは付いているパーツだけで充分である。座席に軽め穴を開けて、シートベルトをドラフティングテープから作ってある。また、7.7mm機銃の装填ハンドルをプラ板から作って追加してある。
照準器は2式水戦の場合、写真で見ると付いていない機体ばかりなのだが、キットのまま取り付け、リフレクタ板を薄い透明プラ板(おせんべの袋に入っている)で置き換えてある。コクピット内部は青竹色で、銀と黒で汚しをかけてある。

キャノピーは、胴体に比べて若干幅が狭いので、できるだけ拡げるように接着してやった。当初、一体になっている方を使うつもりだったが、作業中にヒビを入れてしまったので、分割されている方を使ってある。

◇胴体
例のタミヤタッチで、凸線と凹線が混在しているので、凸線を凹線に彫り直してある。
尾灯は、零戦に比べて大きくなっているので、ぜひ透明パーツに置き換えたい。これをやると全然感じが違ってくる。
また、尾部下面の安定板に、小さなフックが付いているので、0.3mmの真鍮線で追加してある

◇主翼・尾翼
胴体と同様に、全て凹線に彫り直してある。また、翼端灯は赤・青のクリア材で、置き換えてある。

◇エンジン・プロペラ
エンジンは、シリンダーの1発成形パーツと、ギアハウジングだけだが、あまり見える部分でもないので、気にならない。
アルミ、ダークシルバーで塗装し、黒でコードとスミ入れをしてある。

プロペラはこのシリーズ共通して問題があるところで、スピナー前部+プロペラとスピナー後部の2つのパーツで構成されており、隙間の処理がやりにくく、プロペラがスピナーにくっついて見えるものである。
ここは、まずプロペラを切り落としてから、スピナー前部と後部を組み合わせ、充分に整形する。プロペラを取り付ける部分はピンバイスで穴を開け、そのほかパネルラインや調整用の穴などを開ける。
プロペラは1本づつていねいに整形し、スピナーと塗装後組み合わせてある。

◇フロート・台車
主フロートは、外形的には問題ないが、しりもち防止用に結構な量のおもりを入れる必要があった。パネルラインは、凸表現なので、彫り直してある。
この主フロートの機体との取付はだいぶ問題で、結構苦労してしまった。主フロートの後側のV字型の支柱は、いったん切り落とし、フロート側を十分に整形しパネルラインをやり直してから、はめ込むようにした。
また、主柱も合いが悪い部分で、ここはパテを使うと場所的に、後から修正やモールドのやり直しが難しい場所なので、プラ板をはさんだりしてできるだけ、パテを使用しないように作業をおこなった。

両翼の補助フロートは、パネルラインを直しただけで充分であろう。

台車は、キットのままで何もしていないが、整形だけは充分にしてある。
ハシゴは、キットのものは、太いし形も少々違うので0.6mmの真鍮線で作り直した。ちなみに、見つけたハシゴの写真の範囲では、キットのように上から下までまっすぐではなく、下側に向かって広がっている。
このハシゴは不思議なことに、主翼上面に滑り止めが付いている左側ではなく、右側に付けられている。ひょっとしたら、左翼上面の滑り止めは、2式水戦の場合は付いていないのかもしれない。

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◇小物
ピトー管は、0.8mmのアルミパイプ+0.3mm真鍮線で作り直した。また、アンテナマストも、真鍮線から削り出してある。
胴体の7.7mm機銃も、0.8mmのアルミパイプ+0.6mmアルミパイプで作り直してある。
翼下面の爆弾架は、装備していない機体もあるが、爆弾を付けずに装備することにした。キットでは爆弾の一部と揺れ止めが一体になっているので、爆弾架パーツの扇形部分を削り落とし、0.6mmのブリキ板で揺れ止めを作り直してある。

◇塗装・マーキング
キット指定の「36-104」号機とした。
塗装は、下面:明灰白色、上面:暗緑色、カウリングのみ黒(カウリング色)である。カウリングと台車、ハシゴはカウリング色で塗ってある。
垂直尾翼の「36-104」以外は、全てマスキング+エアブラシで仕上げてある。

◇まとめ
この2式水戦も、一つ前に完成した零戦21型と同様に、20年ぶりの製作だったが、以前 作ったものとは、だいぶ進歩したデキになっていると思う。
これも、私の腕が上がったということか!!(20年もやっていて進歩していない方が、おかしい?)

これで、去年から今年にかけて、 52型乙(タミヤ丙型改造)52型(ハセガワ旧)32型(タミヤ)21型(タミヤ)、 それとこの2式水戦と5機の零戦シリーズを1/48スケールで完成させたことになる。
しかし、タミヤの零戦シリーズも良いキットとはいえ、25年近く立っていると、金型の痛みもあるようで、ハセガワの新しいキットの存在価値は、やはり高いことを再認識させられた。

◇参考資料
1) 世界の傑作機(新シリーズ)No.7 1987年7月号 零式艦上戦闘機11型〜21型
2) 世界の傑作機(新シリーズ)No.9 1986年3月号 零式艦上戦闘機22型〜63型
3) モデルアート 1995年10月号
4) モデルアート 1995年11月号
5) モデルアート 1984年12月臨時増刊号 零戦
6) Aearo Detail 7 三菱零式艦上戦闘機
※資料(5)と(6)は毎度の事だが、増原氏からお借りした。いつも、ありがとうございます。