MODELLBAU
1:50 愛知 零式三座水上偵察機 (Nichimo))

Type0_Recon_Seaplane_1
製作:2001年10月21日
記事:2001年10月26日
もともとは、マルサンの1/50のキットらしいが、私は日模が発売している時のものしか見たことはない。
内容は、モーターライズでプロペラが回ったり、各動翼を動かすようになっていたり、主翼の折り畳み機構が付いていたり、時代を感じさせるキットである。

基本形は悪くないが、通常のスケールモデルとして完成させるには、苦労しそうなので、ディスクトップモデル風に完成させることとした。

◇コクピット・キャノピー
コクピットは、電池を入れるスペースとなっているので、床板が浅く、乗員や機銃などはあるものの、そのまま使えるものではない。
スケールモデルとするならば、同じ3座の他のキット(97式艦攻あたり?)からコクピットパーツを、ごっそり移植するといいかもしれないが、今回は、ディスクトップモデルということで何も入れていない。

◇胴体
電池交換のために、コクピット部分が外れるようにできているので、この辺りの組み立てと整形に手がかかった。
一応、パネルラインは直してあるが、ごく簡単にすましてある。コクピットの側面に並ぶ、インテークやバルジ?は、位置・形とのちょっと変だが、修正しないで、全て削り落としてしまった。
また、下面にある透明窓や爆弾ラックなども省略した。

◇主翼・尾翼
主翼は、折り畳み機構を省略するとともに、フラップやエルロンも固定した。
フラップの分割や翼端の形にちょっと疑問も残るが、パネルラインをやり直しただけで、後はそのままであるが、折り畳み部分にあるバルジ(片側2個ずつ)については、位置を折り畳み線上に移動させてある。
尾翼も動翼を固定して、パネルラインを簡単に直しただけ。

◇エンジン・プロペラ
エンジンは、モーターを内蔵させるため、実感のない円板だけになっている。ここも、スケールモデルとする場合は、他キットから流用しなければいけないところだ。
プロペラも、やたら幅があって、ピッチがきつくできている。噂では、マルサンでの企画時には、水の上に浮かべて走らせる予定だった、という話しだ。もし、流用するなら、スピナーごと零戦あたりか?

エンジン・プロペラともキットのままであるが、上面にのインテークが何故か2つに分かれている。実機は、幅広のものが1個なので、キットのパーツをつなげて整形してある。
カウリング下面のオイルクーラは、合いが悪い。消炎排気管は、良い感じにできていると思う。

◇フロート・台車
このキットだけではないのだが、このフロートというのは、大体にして組み立て・整形がめんどうなことに、なっているようだ。
水上走行のため、フロートが大きめに出来ているとの噂もあったが、基本的には何もしていない。
整形で消えてしまった、上面のリブのモールドだけは、0.15mmのプラペーパで再現してある。

支柱は、フロートとの接合部分に大きな隙間ができるので、プラ板で調整して、X字型の支柱(張り線にしては太い)は、0.3mmの真鍮線で作り直した。

台車は、キットのままだが、フロートと全く密着してくれない。本当は、フロートに接着したかったのだが、ただ、乗せるだけとなってしまった。

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◇小物
ピトー管は、金属部品に置き換え、アンテナマストも、真鍮線やハンダなどから自作してある。
ピトー管に使った金属部品であるが、電気関係のパーツである「延長用ICソケットピン」を使っている。1/48にはちょっと大き目なのだが、非常に感じが良く仕上がる。

◇塗装・マーキング
塗装は資料(1)のカラー図をそのまま使った。
下面:明灰色、上面:暗緑色である。主翼上面のステップラインなど、太めになってしまい、おもちゃっぽくなってしまった。
スピナーとプロペラは、見栄えがする銀色タイプとした。垂直尾翼のマークは架空のもので、流用デカールの上からのタッチアップしてある。
ディスクトップなので、艶ありクリアをオーバーエアブラシして完成とした。

◇まとめ
出来上がりは、非常にスマートな実機の感じが良く出ていると思うが、塗装がちょっと派手過ぎた。
もっとも、実機も、巡洋艦など狭い艦上での取り扱いを考えて、派手であった可能性はある?
古いキットだが、ハセガワあたりの97艦攻を1つつぶして徹底工作しても良いと思わせる素材である。しかし、今回のように、ディスクトップ風に割り切って作るのも、ストックを減らす1つの手法では・・・
やはり、模型は完成させないといけません!

◇参考資料
1) 世界の傑作機 No.47 1994年7月号 日本海軍水上偵察機