MODELLBAU
1:48 Curtiss Tomahawk Mk.IIB (Monogram)

TomahawkIIB_1
製作:1999年6月19日
記事:1999年9月25日
モノグラムの古〜いキットである。
1997年に、ホビークラフトカナダからP-40B/C(Tomahawk Mk.II)のキットが発売されるまで、P-40初期型としては唯一のキットではあったが、特に製作するつもりはなかった。 ところが、八王子の某ホビー店でマイクロスケールのデカール付きハセ=モノキットを安売り(定価2,200円→680円)していたので、つい買ってしまったものだ。

デキは、今まで作ったモノグラムの中では最低のデキであろう。ちなみに、購入した範囲でいうなら、モノグラムキットの最低はP-51B/Cだと思っている。
外形はそんなに悪くなく、キャノピーも胴体との合いの悪さを除けばデキ・透明度とも良い。表面モールドや細部デティール、小物はなど発売年代を考えればこんなものであろう。
しかし、このキットの最大の欠点は、パーツに厚みがなく、胴体や胴体=主翼の合わせ目を補強してやる必要があるところだ。これは、モノグラムにしては珍しいことで、製作しにくくあとあとまで気を使わされた。

◇コクピット・キャノピー
コクピットのなかは一応のものが揃っている。計器盤がD型以降のタイプになっているが、そのままである。

シートはパイロットを載せることを前提にしているので、大きな穴が開いている。キットのパイロットもそんなに悪くないが、ここはタミヤのバッファローからトレードして来て載ってもらった。

キャノピーは閉状態の一体型と開状態用の3分割タイプの2種類入りである。モノグラムのキットは、古いものでも、クリアパーツの透明度が高いのには感心させられる。 今回は、開状態のものを使用した。左側の後部三角窓には、本当は燃料注入用の丸穴が開いているのだが、オミットしてしまった。

◇胴体
胴体形状は悪くないようだ。当然、凸彫りなのでパネルラインは全て彫り直してある。
パーツの厚みが薄いので、接着には気を付けたつもりだったが、アンテナマスト用の穴を開けたところ、胴体がちょっと割れてしまった。塗装の後だったので、目立たないこともあり、そのままあきらめた。

◇主翼・尾翼
主翼は翼端の独特の反り上がりが十分再現されていない。平面形はまあまあだが、厚みは少し足らない気がする。
水平・垂直尾翼とも、形やモールドは良いが、翼端が厚いのが難点である。

修正点としては、可動となっているフラップを固定し、上面のエルロン幅が広すぎるのを直してある。
当然、胴体と同様にパネルラインを掘り直してあるが、下面にあると思われる薬莢排出口は開けるのを忘れてしまった。これは下面写真で確認できないので、蓋が付いているのかもしれない。ただし、小さなバルジはついているようだ。

左翼下面の着陸灯は、プレスした金属板で反射板を仕込み、自動車用ヘッドライトセット(モデラーズ製)から選んだガラス部分をはめ込み、デティールアップしてある。
主脚収容口は、もともとが可動のため形・大きさともおかしいが目をつぶった。

水平尾翼・垂直とも特に問題ないので、パネルラインを直し、垂直尾翼左側面に付いているラダーヒンジをプラ板で追加しただけである。

◇エンジン・プロペラ
エクゾーストパイプはムクのままなので、ピンバイスで穴を開けてある。本来なら、真鍮パイプで作り直したいところだが・・・
エンジン上部の機銃フェアリングは、機首パーツと一体になって整形しにくかったので、全て削り落としプラ板で作り直した。

プロペラは例によってスピナーとの一体成形で、付け根のボリュームが不足している。
プロペラとスピナーと切り離して、スピナーは整形しプロペラ用の穴をあけ、プロペラはランナーとパテで付け根のボリュームアップをして、塗装後に組み合わせた。

◇降着装置
キットはもともとは可動だったようだ。モールドは甘いが、タイヤホィールがタイヤ本体と別パーツになっており塗装しやすい。
追加工作としては、ハンダ線でブレーキパイプを追加しただけである。脚カバーは薄くできており、裏側にモールドもあり感じがよい。
尾輪は、キットのままである。

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◇小物
主翼の7.7mm機銃は0.6mm真鍮パイプで作り直した。
アンテナマストも小さすぎるので、真鍮材から削り出したものに置き換えてある。
P-40初期型の小物で難しいのは、キャノピー前に付く照準用の照星?である。これは、エッチングパーツでしか実現不可能と思われるので、今回は真ん中の+はあきらめて、回りだけ細い金属線で作ってある。
ファインモールドあたりが、この照星だけのエッチングパーツを出してくれると、ありがたいのだが・・・
(追記:ファインモールドから米軍機用照準リングセットが発売されたので、照星を付け替えた。1999年5月11日)

◇塗装・マーキング
塗装・マーキングは、英空軍・北アフリカのNo.112スコードロンGA◎X (s/n AK658)とした。
下面:アズールブルー、上面:ダークアース+ミドルストーンの非標準迷彩、もともとはダークアース+ダークグリーンの迷彩を塗り直したため、非標準迷彩となったと思われる。

資料(1)によると、AK658のシリアルに疑問があるのと、コードレターは左側面のみとのことであるが、模型としてはコードレターが左右についていないと様にならないので、右側にもコードレターを付け、シリアルもAK658を使った。
塗装・マーキングは、基本的にマスキング+エアブラシで仕上げたが、シリアルは透明デカールにインレタ、「The Grim Jesker」は透明デカールに手書きで仕上げてある。
ちなみに、ラウンデルは主翼上面:48インチタイプB、主翼下面:36インチタイプA、胴体:36インチタイプA1である。

◇まとめ
古いキットなので、細部については最近のキットと比べるまでもないが、外形がしっかりしているのでデキ上がりは悪くない。
久しぶりにパイロットを載せてみたが、20年以上も昔のものなのに、タミヤのパイロットのデキの良さには驚かされる。特に、今回使ったバッファローのもう1人の方(立ち姿)は絶品である。

◇参考資料
1) 世界の傑作機 CURTISS P-40 WARHAWK 1993年3月号 No.39(新シリ-ズ)
2) 世界の傑作機 CURTISS P-40 WARHAWK 1980年1月号 No.117
3) モデルア-ト 1985年11月号 No.260
4) AIRCAM AVIATION SERIES No.7 KITTYHAWK Mk.I〜IV
5) AIRCAM AVIATION SERIES No.8 P-40D-N WARHAWK