MODELLBAU
1:48 Curtiss Tomahawk Mk.I (Hobbycraft Canada)

TomahawkI_1
製作:1999年6月12日
記事:1999年6月13日
ホビ-クラフトカナダの比較的新しいP-40B/C(Tomahawk Mk.I/II)のキットである。
このキットは実機通りP-36から発達しており、一部が共通パ-ツとなっている。
1/48でP-40初期型のキットとしてはモノグラムのキットについで2番目だと思うが、モノグラムのものはすご〜く古く、全体のイメ-ジは良いのだが、作り難い点や細部の表現など問題が多すぎるキットであった。

そういう訳でこの新キットが発売されたことを、手放しで喜びたいところだったのだが、仮組みをして胴体を横から見ると何かおかしい。
これは?と思って調べると、ラジエター直後の胴体保護スキッドの形状が実機とかけ離れていて、全くボリュウムが不足している。ここは絶対に修正してやらないといけない。
どうも、HCCというのはパ-ツの段階で一見すると良いのだが、どこかに落とし穴が潜んでいるキットが多い。特にこういった修正に手間取るような、しょうもない部分でのミスが目立つ気がする。

◇コクピット・キャノピー
コクピットは、P-36のキットと同じものが入っている。モノグラムのキットでは、なぜか計器板がD型以降のタイプとなっていたが、このキットではそういうこともなく、初期型(P-36と同じ)となっている。
キットには照準器は付いていないが、イギリスで使用された機材は照準器が装備されているので、適当なパーツを持ってきて追加してある。

デティールアップとしては、ファインモールドのエッチング製のシートベルトを追加してある。

◇胴体
前述した胴体下のスキッド以外は基本形も良く、パネルラインも問題ないと思う。
イギリス軍が本土で使用したTomahawkには、左側面にある点検パネルにカメラ窓らしい丸い穴が開いているのだが、今回の機体について確認できなかったため追加しなかった。しかし、このカメラ窓は付いている可能性が高いと思う。

問題の、スキッドのボリューム不足は、プラ板で大体のアウトラインを作ってやり、後半部からのラインをパテで成形して修正してある。
ついでに、再現されていないスキッドに開いたスリットも再現してある。

◇主翼・尾翼
主翼上面パ-ツもP-36からの流用パ-ツである。
全体形は問題ないと思ううが、主翼端のそり上がりは再現されていない。また、主脚部分の膨らみもちょっと形が違うような気もするが、モールドが良かったのと、胴体スキッドの改修で疲れたので、両方ともそのままとしてしまった。

尾翼は水平、垂直とも良くできている。

◇エンジン・プロペラ
エンジン回りは、ラジエータのパーツが胴体と相性が悪く、プラ板を挟んだりパテで成形する必要がある。
また、排気管はモノグラムとどっこいどっこいのデキで、工夫が足りない。真鍮パイプで作り直しも検討したが、今回は見送ることとした。

プロペラは、3枚バラバラでスピナーに後から差し込めるようになっており、製作手順からすると歓迎できるが、肝心の外形が良くない。先が太すぎるし、厚みも不足している。
厚みはあきらめ、平面形は多少修正してある。

◇降着装置
主脚はまあまあのデキだが、2mmほど短すぎるようだ。これは完成してから気が付いたので、そのままとしてしまったが、地上姿勢での迎え角が完全に不足している。
また、主輪は変形タイヤとなっているのは良いのだが、少々厚みがあり過ぎるし、通常は張り合わせとするところを、1ピースで整形してあるため、わたしのキットでは一方のパーツに引けが出ていた。

デティールアップとしては、ブレーキパイプをハンダ線で追加し、プラ板や延ばしランナーで省略されている支柱を追加してある。
この部分は、全てをムーヴのキットから流用すると楽だと思うが...

尾輪は、全く胴体への接着に考慮が払われていないものとなっているので、強度アップも兼ねて0.8mmのアルミパイプで支柱を作り直して、胴体との接合もしっかりとなるように改修してある。

各脚扉は厚すぎるが、この飛行機の場合は、あまり気にならないようだ。

TomahawkI_2 TomahawkI_3 TomahawkI_4
◇小物
照準リングと照門は、一応プラパーツで用意されてはいるが、やはりプラスチックでは限度があるので、ファインモールドのエッチッングパーツを使用している。
この照準リングと照門は、照準器を装備した場合、中心線ではなく右側にオフセットされるのが正解である。

その他、アンテナマストを真鍮線で作り、各機銃も真鍮パイプとしてある。キットに付いている機銃パーツも悪くはないのだが、イギリス機とした場合にはスリープが太すぎるようだ。

ピトー管はキットのものは、全く変なかっこうをしているので、作り直したいところだが、例の十手型が金属部品で再現できず、キットのパーツに手を入れて誤魔化してある。

◇塗装・マーキング
キットの指定塗装にもなっている、イギリス本土で使われたNo.403sqn.のKH◎R(s/n AH882)とした。
塗装は、上面:ダークグリーン+ダークアース、下面:スカイ(タイプS)+左主翼下面のみ黒の初期防空塗装である。
迷彩パターンは、キットの指定パターンとは違うようなので、いろいろな写真から調べたパターンとしてある。胴体の帯とスピナーもスカイである。

マーキングは、シリアル以外はマスキング+エアブラシで仕上げた。ラウンデルは、主翼上面:48インチタイプB、胴体、左翼下面:36インチ、タイプA1、右主翼下面:36インチ、タイプA。 胴体の部隊/機体コード KHRは、ミディアムシーグレイ(実際はスカイと呼ばれるライトグレイ)とした。
仕上げは、若干艶ありに仕上げ、内地(イギリス本土)のイメージを出してある。

◇まとめ
やはり、P-40はB/C型がカッコイイ(・・・と思うのは私だけか?)
性能はP-40の中では最悪だったらしいが、このB/C型にイギリス軍塗装を施すと何とも言えない、かっこよさがある。
これで、P-40の初期型は2機完成したが、どちらもTomahawk=イギリス軍使用機となった。

◇参考資料
1) 世界の傑作機 CURTISS P-40 WARHAWK 1993年3月号 No.39(新シリ-ズ)
2) 世界の傑作機 CURTISS P-40 WARHAWK 1980年1月号 No.117
3) モデルア-ト 1985年11月号 No.260
4) AIRCAM AVIATION SERIES No.7 KITTYHAWK Mk.I〜IV
5) AIRCAM AVIATION SERIES No.8 P-40D-N WARHAWK