MODELLBAU |
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1:48 Focke-Wulf Fw190D-9 JG3 (Hasegawa) |
製作:1999年4月28日
記事:1999年4月29日 |
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もともとは、数年前に一世を風靡したトライマスターの複合素材ハイテクキットである。
当時としては(わたしにとっては)価格が高すぎたし、いかにも作りにくそうなキットだった。そんな理由で購入していなかったのだが、その後、トライマスターが倒産したため、ハセガワに金型が流れ、ダイキャストパーツなどをプラパーツに置き換えて価格を下げ、新発売?になったものである。 キットの素性は大変良いので、プラパーツ化されなかったエッチングパーツ組み立てのコツさえつかめば、スパルタンなFw190D-9の勇姿を手にすることができる。 最近は、タミヤからさらに作りやすく、価格も安いキットが出ているので、あえてこのキットをこれ以上作ることもないと思うが、とにかくエポックメーキング的なキットであることには変わりはない。 |
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◇コクピット・キャノピー
コクピットは、バスタブ型のプラパーツにエッチングを曲げて計器板とするようになっているが、エッチングの計器板はモールドが浅く、パーツで見ていると感じは良いのであるが、塗装してしまうとその彫刻の薄さから、実感のあるできとはならない。完成後は外から良く見えないので、赤や黄色でアクセントを付けて仕上げてある。
座席やフットバーなどもオリジナルではエッチングパーツらしいが、ハセガワ版では最低限に抑えられていて、作りやすくなっている。 ただ、シートベルトも無くなっているので、ファインモールドのエッチングパーツを使ってある。Fw190に使う場合、長すぎるので途中で詰めて使ってある。 キャノピーは今回選択した機体が初期型であるため、A型と同じトップがフラットなタイプである。ここは、タミヤのD-9で余剰となったパーツを流用してある。閉状態とするには若干のすり合わせが必要だが、開けて置くならそのままで問題ない。 |
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◇胴体
特に問題となるところはないが、そのまま組むんだだけでは、主翼パーツとの間に隙間ができてしまう。
ここは、胴体内部にプラ棒などで支えを作り、胴体幅の方を広げてやるとうまく行った。 その他は、胴体の延長部分が金型差し替えになっているため、パーティングラインが入っているので、ペーパーで軽くなでて、消してやるぐらいだった。 |
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◇主翼・尾翼
主翼も外翼の武装パネルが形式による差し替えとなっているため、機銃のアクセスパネル付近のパーティングラインが目立つので、ペーパーで整えてやる必要があるが、その他は問題ない。
ただ、この主翼下面のパーツはF型?と共通部品であるため、機首下面に排気管用切り欠きが付いたままとなっている。 今回は初期型(=A型のパーツや治工具を流用して製作した仮定)としたので、あえてそのままとしたが、通常は埋めて整形する必要がある。 垂直尾翼は良いが、水平尾翼はすこし薄く、小さいようだ。 |
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◇エンジン・プロペラ
エンジン部分は、エッチングによるパネルや吸気フィルタのメッシュなどが用意されており、精密感ある仕上がりとなる。機首右上面にある小さなインテークもきちんと別パーツとなっている。
プロペラは、1枚1枚別々になっていて、形やテーパー、ねじりなども感じが良い。 スピナーは良いと思うのだが、タミヤのD-9のものと較べると直径で1mm弱、長さで2mm弱大きい。どちらが正確かは分からないが、こちらのほうが迫力があるのは確かである。 |
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◇降着装置
主脚関係は、細かいところまでパーツ化されているが、それぞれの部品取り付けが判りにくくなっていて組み立ては面倒である。また、主脚カバーも接着しろが少なく作業性が悪い。
デティールアップとしてブレーキパイプを追加したが、見えにくい場所にあるので、出来上がりにはあまり貢献していないようだ。 尾輪は、可動式となっているため精密感は高いが、すこしオーバースケールのような気がする。 |
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◇小物
キット付属の増加タンクを吊り下げてある。懸架ベルトがエッチング製で、ここでも精密感を増している。この増加タンクの金具とパイロンの揺れ止めの後の部分が合わないが、実機でもこんなものなのか?
翼端のピトー管は、真鍮パイプと真鍮線の組み合わせで作っってある。 モラーネアンテナと、ループアンテナ、その後のロッドアンテナはエッチングパーツがちゃんと用意されていている。その他、主翼上面の主脚状態表示ロッドを0.3mmの真鍮線で作った。 20mm機銃、13mm機銃は0.8mmのアルミパイプに置き換えてある。 |
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◇塗装・マーキング
塗装は極々シンプルなStacIV/JG3の青の1番とした。資料(2)に不鮮明な写真が載っているが、カムフラージュパターン、マーキングなどは充分に確認できる。
塗装は、下面RLM76、上面はRLM74+RLM71の標準パターンとした。この塗装パターンは機首に特徴があり、この部分の上下の境目は真っ直ぐで、ぼかし塗装にもなっていないようだ。ベースにサーフエィサー1000番をエアブラシしてから、エアブラシで仕上げた。 マーキングはスワチカ以外はマスキング+エアブラシである。スワチカはSuper Scaleのデカールを使用した。 スピナーは資料(1)のカラー図から黒一色としたが、写真では良く判らない。渦巻きが付いている可能性もある? |
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◇まとめ
細かいステンシル類はキットのデカールを使ったが、フイルムも薄くオーバースケールの度合いも許せる範囲である。もちろん全部ではなく、適当に間引いて貼ってある。
仕上げに、少し艶消し気味のクリアをエアブラシし、艶の調整とデカールの保護としてある。 汚しは薄めたエナメル(下面:ダーググレイ、上面:フラットブラック)によるスミ入れと、黒のパステルによる排気管・薬莢排出口のすす汚れを軽めに施してある。 |
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◇参考資料
1) Fw190D & Ta152 モデルアート 1988年8月号臨時増刊
2) Fw190とMe262写真集 航空ファン 1973年5月増刊号 3) 第二次大戦ドイツ軍用機 航空ファン別冊 No.33 |