MODELLBAU |
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1:48 Curtiss P-40N Warhawk (Mauve) |
製作:1999年4月11日
記事:1999年4月11日 |
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時々、妙なキットを発売しているMauveの最新作であるが、いつになく選択が地味で価格も安いMauveらしからぬキットである。
1/48で初のN型ということであるが、現在はAMTからもN型が発売されている。デキのほうはハセガワやタミヤの最新キットと肩を並べる内容である。 コクピット後部胴体がキャノピー後半部品と一体になっており、この部分を差し替えることで、M型に展開できる構成になっている。 |
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◇コクピット・キャノピー
側面パネルは、のっぺりとしたモールドだが、一応のものが揃っている。
計器パネルは繊細なモールドなっており、デカールは付属していないので、丁寧に塗り分けでメーター類を再現してある。 デティールアップとしては、エッチング製の金具(ファインモールド製)とドラフティングテープからシートベルトを作って追加し、照準器のガラスを極薄透明プラ板に交換してある。 また、シートはエッジが厚すぎるので、デザインナイフやヤスリなどで、薄く仕上げてある。 キャノピーは。後半部分が胴体と一体となっており、M型とのコンバージョンに対応している。形状・透明度も問題ないが、胴体との合いはイマイチであった。 |
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◇胴体
繊細なパネルライン(もちろん凹線)が施されている。
キャノピー後半との合いが、いまいちなので、この部分の整形に苦労するが、キャノピーから胴体後半への、少し折れ曲がったような微妙なラインがきちんと再現されていて感じが良い。 |
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◇主翼・尾翼
主翼は従来のキットでは再現されることが少なかった、翼端のそり上げも再現され、良くできている。
ただ、機銃口回りのパーツ分割処理が悪くボリュームも不足している気がしたので、モールドを削り落としてプラ棒とアルミパイプで作り直してある。 このデティールアップは、機体に力強さが出てくるので、是非やっておきたいところである。 尾翼も薄くできていて全く問題ない。垂直尾翼左側に付く、大きめのヒンジもきちんとパーツ化されている。 |
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◇エンジン・プロペラ
機首のラジエータインテークは、実機形状からパーツ割が難しく、このキットでも充分とは言えない。
インテークの仕切りパーツを両側胴体にはさみ込んで、接着するようになっているので、組立が難しく曲がってしまった。 プロペラやスピナーは全く問題ない。また、排気管が全部別々になっていて、組み立ては面倒だが、でき上がりは申し分ない。 |
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◇降着装置
N型で一回り小さくなったタイヤがちゃんと別パーツでサポートされている。ここら辺りは、さすがMauveといったところか?主脚は若干太めであるが、そのまま使用してブレーキパイプと係留用?のアイボルトを追加してある。
尾輪周りは形状的には問題ないが、尾輪カバーの接着用のりしろが少なく、すぐに取れてしまうのは、困りものである。 |
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◇小物
ピトー管は、真鍮線、真鍮パイプなどから自作してある。
アンテナ柱は、実機写真から装備していないようだったので、取り付けていない。機首上面の照準用バーは0.3mm真鍮線で追加してある。 胴体下面のドロップタンクはキットのまま装備してある。揺れ止めが若干太めだが、気にするほどでもない。本当は懸架金具や燃料パイプを追加しなくてはいけないところだが、省略してしまった。 このキットは、翼端灯が主翼だけでなく、垂直尾翼もちゃんと透明部品でパーツ化されている。サイズは若干オーバースケールのようだが、結構手間取るところなので、パーツ化はうれしいところだ。 主翼のパーツは接着してから、クリアレッドとクリアブルーを塗ってやると、ぐっと引き立つ。やはり、自作パーツとは磨きが違うようだ。 |
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◇塗装・マーキング
機首に骸骨を大書きした、第10空軍第80戦闘大隊第85戦闘中隊の機体とした。
塗装は、下面ニュートラルグレイ、上面オリーブドラブの標準塗装、資料(3)に写真が載っているが、ダークグリーンによるまだら迷彩は施されていないようだ。 スピナーは赤一色、主輪のホィールが白で二重丸に塗られているようなのだが、ディスクホィールではないので、省略してしまった。 マーキングは全て、Aero Masterの48-126Cを使用した。機首の骸骨は大判で、貼る場所の形状も複雑なのでデカールを2分割し、デカール柔軟剤を多用して密着させてある。国籍マークを含めて全てにデカールを使うのは久しぶりである。 今回は、面倒なドクロマークとしたのでデカールとしたが、使い慣れていないせいか、いまいちのデキだった。もう少し、デカールの使い方も研究する余地があるようだ。 仕上げに、艶消し気味のクリアをエアブラシし、アクリルのフラットブラックによる軽いスミ入れと、銀色による主翼付け根の塗装はがれ再現、パステルを使った排気汚れの再現といったところで、フィニッシュとした。 |
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◇まとめ
P-51やP-47などと較べると、キットにあまり恵まれていないP-40であるが、飛行機としてはバランスが取れたカッコいい形状である。ただし、N型は洗練され過ぎていて、P-40らしさに欠ける気がする。やはり、短胴型のE/K型やB/C型の方がP-40らしい。
塗装の方も、有名なエースこそいないが、このドクロマークやシャークティースを始め、派手なマーキングが多いのも魅力である。ただ、実機写真から好きな塗装を選んでいるとどうしてもイギリス軍使用機となってしまうのは、仕方ないところか? 最近は、1/48飛行機をシリーズで作ることにしているので、この後ホビークラフトカナダ(B型)、ムーヴ+ハイテク(L型)を完成させる予定である。オオタキ(E型)、モノグラム(B型)、レベル(E型→K型改造)はすでに完成済みである。 |
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◇参考資料
1) 世界の傑作機 NO.117 カーチスP-40ウォーホーク 1980年1月号
2) 世界の傑作機 No.39 カーチスP-40ウォーホーク 1993年3月号 3) AIRCAM AVIATION SERIES No.8 CURTISS P-40D-N WARHAWK |