MODELLBAU
1:48 三菱 零式艦上戦闘機22型 (Hasegawa)

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製作:1997年2月10日
記事:1997年2月12日
ハセガワの新しい零戦シリーズの1つで、確か32型に続いて発売された2番目であったと思う。
以前の52型とは全くの別もので、表面モールドも凹ラインなっているし、コクピットを含め各部もシャープさ増してしるようだ。
わたしの購入したキットは限定品の「レジン製主輪付き」で、普通のキットと同じ値段なので、儲けた!!という気にさせてくれる。

組み立てはあまり問題がないが、胴体前部の上面と下面が別パーツの妙な分割になっている。いろいろ理由はあるわけだが、この部分が若干だがすきまができてしまい、組み立てにくい。
また、主翼は11型、21型と共通、胴体は32型と共通のパーツになっているため、それぞれトリムタブを削ったり、パネルラインを消したりする作業を行う必要がある。

このシリーズは32型、22型、22型甲、11型、21型、ガルテックスで2式水戦と続いており、そのうち52型も出るかもしれないが、私としては、「1/48スケール零戦ストック制覇」作戦の最後の機体と考えているので、当分は他の零戦キットを購入する予定はない。

◇コクピット・キャノピー
座席の上降レバーや、機銃尾部なども別パーツになっており、キットのパーツで充分だと思う。
特に、98式射爆照準器のデキはすばらしく、いつもならガラス部分を付け替えるのだが、そのまま使用してしまった。
メータパネルも少々のモールドがあって、デカールも細かく用意されている方式である。キットの指定通りデカールを貼れば、立体感と精密感があふれるデキとなる。

手を加えたのは座席だけで、軽め穴を開け、シートベルトはファインモールドの、「日本海軍機用シートベルトセット」を使用してみた。
塗装は、内部はメータパネルも含めて、Mr.カラーの三菱系機体内部色、座席のみ銀色、シートベルトは、エナメルのタミヤカラーでフラットグリーンに塗ってある。

◇胴体
分割された前部の組立や整形に時間がかかるが、基本的には問題ない。
ただ、機首部分のスリットのモールドが、左右対称なのは間違いで、右側には一番下の1段大きくなっている部分はなく、上から下まで同じ幅である。
ここは、プラ板を適当な大きさに切ったもので埋めれば、OKである。以前の52型では間違っていなかったので、ケアレスミスだろう。

◇主翼・尾翼
主翼と垂直尾翼のトリムタブは、キットの指定通りに削ってやるが、21型や32型の時は逆にモールドを埋めなくてはならず、周りの布張りモールドとのかね合いもあって、めんどうな気がした以外は、なんの問題もんない。
翼端灯はいつものように、クリア材で置き換えてある。今回も、主翼上面の編隊灯は、塗装にしていまったが、なんとかしたい部分である。

◇エンジン・プロペラ
エンジンは、ギアケースの取り付けを気を付けるぐらい。特にデティールアップは行っていない。
スピナーは、プロペラの反対側に、何かの調整口が3ヶ所開いているので、0.8mmのピンバイスで開けてある。

プロペラは、スピナーに1枚1枚差し込む方式だが、けっこうガタがあり、水平と120°の分割、ピッチを調整するのに手間取る。

◇降着装置
主脚の角度も一発でピタリと決まり、気持ちが良い。
基本的には問題もないので、キットのまま使用したが、主輪カバーだけは主脚に全くなじまなかった。削ったり押さえつけたりして無理矢理に付けてしまったが、これは、キットが悪い訳ではなく、ブレーキパイプを通すために、カバーの支柱のモールドに切れ込みを入れたためのようだ。
ここは、主脚カバーについている、3ヶ所の支柱のモールドを全て削り取って、主脚に固定しブレーキパイプを通してから、プラ板などで作り直したほうが、良さそうである。
感激ものは、内側のカバーにつく作動アームで、繊細なアームがパーツ化されている。

この限定品キットの売りの、レジン製主輪だが結局は使用しなかった。確かにモールドはすばらしいのだが、タイヤのへこみ具合が私のイメージに合わないためと、キットとの相性が良くなかったためである。
あぶれたレジンパーツは、増原氏のフジミ1/48零戦に再就職が決まった。

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◇小物
小物としては、いつものようにピトー管を0.8mmのアルミパイプと0.3mmの真鍮線の組み合わせで置き換え、胴体の7.7mm機銃口も0.8mmと0.6mmのアルミパイプで作り替えてある。
また、主翼上面の主脚出し表示棒は、オミットされているので、0.3mmの真鍮線で追加してある。

アンテナマストは、太い気がしたが、キットのまま使用。零戦としては初めて、アンテナ線を髪の毛(わたしの奥さんのもの)で張ってある。湿気のため伸びないように、濡らしてから使ってあるが、乾燥してからも、引っ張られて切れることはないようだ。

落下タンクは今回は使っていないが、モールドは良い。ただ、1段さがった給油口内に、パーツの合わせ目ができてしまうため、この部分の修正は大変そうである。

◇塗装・マーキング
塗装は、キット指定の第582海軍航空隊の「186」号機とした。
尾翼のマーク以外は、全て塗装で仕上げてあるが、カラーはMr.カラーそのままである。キャノピーの明灰白色の塗り残しが、きれい過ぎるように感じたので、ぼかして見たが少々変なデキになってしまった。
仕上げに、半艶消しのクリアをエアブラシし、汚しはいつものように、エナメルのフラットブラックとレッドブラウン、機銃などのスス汚れは、パステルを使った。

このキットのデカールは、186番以外にも、0〜9までの文字が別に入っているので、使うかどうかは別として、ここでも儲けた!!という気にさせてくれる。

◇まとめ
胴体の白帯がちょっと目立ち過ぎの感がある。もう少し汚した方が全体的な調和が取れるようだ。
暗緑色も、イメージとしては暗すぎるし、黄橙色も赤を加えたのだがあまり赤っぽくはならなかった。
カウリングも、Mr.カラーのカウリング色に明灰白色を入れて、明るくしたのだが、全体的なイメージが悪くなるので、結局もとに戻してしまった。

1/48の零戦も 52型乙(タミヤ改)52型(ハセガワ旧)32型(タミヤ)21型(タミヤ)2式水戦(タミヤ)、 22型(ハセガワ)と完成し、無事にストックが全て無くなった。
この6機種を並べてみると、やはりこの22型が一番良いデキだし、形としても零戦中では最もカッコイイことは間違いない。
また、古いタミヤのキットのデキが非常に良く、25年の歳月を感じないのは、改めてタミヤのすごさが分かったような気がする。
また、20年ぐらいしたら(ちなみに私は60才になっている)、ハセガワの残りの11型、21型、32型のキットも作ろう。

◇参考資料
1) 世界の傑作機(新シリーズ)No.7 1987年7月号 零式艦上戦闘機11型〜21型
2) 世界の傑作機(新シリーズ)No.9 1986年3月号 零式艦上戦闘機22型〜63型
3) モデルアート 1995年10月号
4) モデルアート 1995年11月号
5) モデルアート 1984年12月臨時増刊号 零戦
6) Aearo Detail 7 三菱零式艦上戦闘機
※資料(5)と(6)は毎度の事だが、増原氏からお借りした。いつも、ありがとうございます。