MODELLBAU
1:48 Republic Thunderbolt Mk.III (Monogram)

ThunderboltIII_1
製作:2002年5月6日
記事:2002年6月20日
モノグラムの古いキットで、主翼の取り付け位置が後ろ過ぎるとか、カウリングの形が悪いとか、修正不可能な問題点を持っている。
しかし、デティールはさすが、モノグラムというキットで、コクピットなども一発整形なのだが、何とも言えない雰囲気があるキットだ。

デティールアップ用に、エデュアルドのエッチングパーツを買い込んであったのだが、ハセガワから新キットが出たこともあって、モノグラムの”味”を活かす製作に、方針変更してしまった。
ただ、カウリングだけは、オオタキから流用している。

◇コクピット・キャノピー
バスタブ状の一発整形パーツに、計器パネルを付けるだけなのだが、このモールドが何とも言えない”味”があるできになっている。
このモノグラムらしさを活かすため、キットのまま製作して細かく塗装することでディテールアップとしてみた。
シートベルトはエッチングの金具とドラフティングテープから。照準器もランナや透明プラ板などから自作してある。

キャノピーは透明度も高く、問題なし。

◇胴体
凸ラインのパネルラインを、彫り直してあるが、一段浮き上がった状態にモールドされている各部の点検パネルは、できるだけ消さないように注意してある。
機首両側のエアアウトレットと、排気逃がし弁にプラ板や延ばしランナで手を入れてある。
また、尾輪直前のエアアウトレットも、プラ板での作り直した。

◇主翼・尾翼
主翼は取り付け位置が3〜4mmほど、後ろ過ぎるが修正は困難なので、そのまま。最初の完成写真を見てもらうと分かるが、やたらに機首が長く見える。

パネルラインを彫り直し、翼端灯、着陸灯、3色灯などを、クリア部品などで置き換えてある。
P-47独特の、主翼断面形の先端が尖ったようなカーブが出ていないが、ここも修正は困難。

尾翼もパネルラインを彫り直したが、残念ながらキットのモールドを活かすことができなかった。

◇エンジン・プロペラ
このキットの最大の欠点が、カウリングの形状で、上から見ると先端に向かって、しぼり過ぎられており、そのために前面の開口部の形がおかしくなっている。
このカウリングも、修正がほぼ不可能に近いので、オオタキのキットから流用した。胴体との合いは問題なく、カウリングの内側をちょっと削ってやれば、ぴったり収まる。

エンジンもオオタキのものを使った。エンジンは、オオタキもモノグラムも、一発成形で五十歩百歩のデキだが、オオタキのほうがまだましか?

プロペラは、英軍が東南アジアで使った機体とするので、キットのままでOK。他の機体にする場合はキットのハミルトンスタンダード製ではなく、カーチス・エレクトリック製が付いている機体(サブタイプ)もあるので、注意が必要である。

◇降着装置
細かいところや、デティール感も申し分ないデキである。
主脚扉は押し出しピンのあとやヒケが目立つので、整形してカバーのリンクや、ブレーキパイプを追加。

主脚は資料(1)のカラー写真を見る限り、ビルマ戦線のイギリス軍使用機については、ダークグリーンに塗られていたようだ。

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◇小物
塗装としてピックアップした機体は、主翼の両パイロンにP-38用?の大きな増加タンクをぶら下げているので、AcademyのP-47Dのパーツを流用した。
このAcademyの増加タンクだが、周囲のリブが一部切り欠かれて、そこがパイロンの取り付け箇所となっているが、この英軍使用機の場合、これは明らかに間違いで、リブから若干オフセットしたところで、パイロンに取り付けられている。
また、パイロンの揺れ止めも、標準的なものではないように見える。少なくとも、パイロン後部から、特別な固定用ロッドが追加されている。

胴体中央部は、扁平な形のタンクを取り付けるようになっているので、モールドを全て削り落として、小さな揺れ止めを自作してある。

主翼の12.7mm機銃(実際は銃身をカバーするチューブ)は、1.0mmのアルミパイプで。ピトー管やアンテナマストも金属部品に置き換えてある。

◇塗装・マーキング
資料(1)に、カラー写真も含めて、何枚か良い写真が掲載されている、ビルマ戦線のイギリス軍No.30 Squadron使用機とした。
塗装は、下面:ミディアムシーグレイ、上面:ダークアース+ダークグリーンの迷彩塗装。
マーキングは、日本機との誤認を防ぐために、カウリングや各翼に白い帯を入れ、ライトブルーとダークブルーの小さなラウンデル(SEAC Roundel)を付けている。
コードレターは、RS◎Gもライトブルー(白色の可能性もある)、s/n HD265は黒色。
シリアルコードに、レタリングを使用した以外は、全てマスキング+エアブラシで仕上げてある。

垂直尾翼の白帯の中に、部隊マークが入っているので、インターネットで調べた部隊マークを参考にして、それらしく手書きして見た。

◇まとめ
P-47の中でも、また、イギリス軍の中でも、この塗装・マーキングは珍しい部類に入る。
P-47のバブルキャノピータイプというと、アメリカ軍の趣味が悪い塗装・マーキング=銀塗装にやたら赤色のストライブが入ったり、悪趣味な漫画を書き込んであったり、黄色と黒色のチェッカーがついたりするものが多いので、手書きできる範囲で、落ち着いた塗装・マーキングを選んでみた。

この後、オオタキのRazor Backタイプも完成させたが、他に、P-47はハセガワとアカデミーをストックしている。
このうち、どちらかはカウリングに白と黒のチェッカーを入れた、78FG使用機にしたいと思っているのだが・・・

◇参考資料
1) 世界の傑作機 No.112 1979年8月号
2) 丸メカニック No.42 1983年7月号
3) モデルアート No.524 1998年11月号
4) その他、数多くのWebsiteから

◇参考資料
SEAC Roundel Size
Ratio Real Size 1/48 Size Note
Dark Blue 1.0 18inch 9.5mm 外側
Light Blue 3/7 7.71inch 4.1mm 中心

今回、製作したものは、ダークブルー10mm、ライトブルー5mmとしてしまった。
マスキング状態では良いように思えたのだが、マスキングを剥がすと、明らかにライトブルー部分が大きかった。