MODELLBAU
1:48 Republic P-47D Thunderbolt (Ootaki)

P-47D_1
製作:2002年5月31日
記事:2002年6月20日
オオタキ最後期のキットで、現在の目で見てもまぁまぁのデキである。

デティールアップ用に、ハセガワのP-47のG部品だけをアフターサービスで手に入れて使用している。このG部品だけで、オオタキの問題点であるエンジンとコクピット内部の両方がカバーできる。
(これをやるなら、最初からハセガワのレザーバックを作った方が速い!?)



◇コクピット・キャノピー
オオタキのコクピットは大体にしてデキが悪い。このP-47も例外ではないので、ハセガワのパーツを移植した。流用したパーツがバブルキャノピー用なので、後部隔壁はプラ板で作ってある。
シートベルトは、Fine Moldのエッチング金具に、ドラフティングテープの細切りで。ガンサイトはボリュームが不足しているので、プラ板などから自作してある。

キャノピーは窓枠が太く、透明度も今ひとつだが、キットのものを使った。内部を見せるために、閉状態で一体となっているパーツを切り離して、開状態としてある。
バックミラーはキットのものに、アルミシートをポンチでくり抜いた鏡面を貼り付けてある。このバックミラーも、手持ちの資料だと、角形の写真の方が多いようだ。

◇胴体
パネルラインは、ちょっと弱い感じだが、細部まで良くモールドされている。後部胴体両側のエアアウトレットの開き方が違うような感じだが、手を入れなかった。

機首両側のエアアウトレットと、尾輪直前のエアアウトレットを、プラ板で作り直してある。

◇主翼・尾翼
主翼はほとんど問題ないが、フラップのラインが弱く、他のパネルラインと同じなので、深めにしてある。また、エルロンのヒンジカバーが機軸と平行ではなく、エルロンに垂直についている。これは、一度切り取って付け直した。翼端灯、着陸灯、3色灯などを、クリアパーツなどで置き換えてある。

尾翼まわりは、全く問題ない。尾灯はクリアパーツで自作。

◇エンジン・プロペラ
カウリングの形状は良好だが、エンジンは一発整形で、ちょっとつらいできである。ここは、やはりハセガワのG部品からエンジンパーツを流用してある。
ただ、カウリング内部下側のエアダクトはG部品には含まれていないので、オオタキのエンジンパーツからレザーソーで切り出して組み込んだ。

プロペラは、基本的には問題ないが、別部品となっている先端のキャップになぜか、四角いベースがついている。実機にはこのようなものはついていないで削り落とすが、キャップ自体が太めなので、プロペラハブのリブを削り取るなど、加工が必要となる。
ハセガワG部品に、このカーチス・エレクトリック製ハブとキャップだけ付いていたので、キャップだけを流用した。

◇降着装置
キットの主脚柱は、フォーク部分が薄く、強度的に心配だったので、ハセガワG部品についている主脚柱を流用。G部品に含まれていないトルクリンクは、オオタキのパーツから移植した。ブレーキパイプは極細半田線から。
主輪は、タイヤのトレッドパターンが浅く、ホイールも出っ張ってしまってかっこうがつかないでの、AcademyのP-47DからN型用のものを流用し、プラ板でホイールをディスクタイプに改修した。ちなみに、Academyのキットには、なんだかんだと、主輪のパーツが3機分ついている。(N型用x2、D型用x1)
脚カバーは薄くできていいてモールドもいいのだが、ヒケが大幅にでていて、修正が必要だった。
尾輪は、良くわからない形なので、適当なタイヤをジャンクから探してきて流用。オオタキのキットは、シミーダンパー付き尾輪を、オーバーに表現しているのはないだろうか?支柱も強度が心配だったので、真鍮線から自作した。

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◇小物
両翼パイロンの揺れ止めは、キットのパーツを整形して、伸ばしランナーでデティールアップしたが、ちょっとオーバースケールか?
この初期のD型では、胴体下面にP-39やP-40が積んでいるような増加タンクを積んだ写真が多かったので、オオタキのP-40から、増加タンクを流用して吊してみた。
このタンクも2〜3種類あるようで、合わせ目のリブが垂直になっているものや、給油キャップ部分は一段突き出ているものなどが確認できる。胴体下面の揺れ止めもキットのは形が違うので、延ばしランナーなどから自作。

主翼の12.7mm機銃(実際は銃身をカバーするチューブ)は、1.0mmのアルミパイプで。ピトー管やアンテナマストも金属部品に置き換えてある。

◇塗装・マーキング
マーキングは、キット指定のWZ☆Zとした。
塗装は、下面:ニュートラルグレイ、上面:オリーブドラブの米軍標準迷彩塗装。
機首と垂直水平尾翼の白帯、部隊・機体のコード、国籍マークの白部分はマスキング+エアブラシで仕上げ、他はキットのデカールにタッチアップで。デカールの国籍マークはダークブルーの色が明るすぎるようだ。

汚しは、ダークアース系のエナメルカラー。アクセントに、塗装はがれを、ちょこ、ちょこっと書き入れたが、アメリカ機の場合、塗料がいいのか、塗膜が厚いのか、あまりはげている写真は見あたらないので、ほんの気持ち程度にしてある。

◇まとめ
パーツの段階で見ると、けっこう良いキットだと思っていたのだが、実際に作ってみると細かい部分でちょっと?と思わせる部分が多かった。
ハセガワのG部品が、思いのほか有効に使えて、何とか納得がゆく仕上がりとなったような気がする。
これで、モノグラムのバブルキャノピー型と、レザーバック型の両タイプが揃った。両方とも迷彩塗装機としたが、やはり、銀色にチェッカーパターンを付けたP-47が1機はコレクションに欲しいところである。

蛇足だが、オオタキ(アリイ)の指定塗装の1つになっている、英軍37SQの使用機だが、写真を見ると明らかにシリアル番号が違う(HD154が正しい)のと、機首のトランプマークが一回り以上小さい、さらに主翼上面のラウンデルもBタイプではなくて、Cタイプになっている。
バックミラーもキットの丸形ではなく、キャノピーに直接付いている角形のようだ。・・・ということは、今回のマーキングとしたWZ☆Zも怪しいのかな?

◇参考資料
1) 世界の傑作機 No.112 1979年8月号
2) 丸メカニック No.42 1983年7月号
3) モデルアート No.524 1998年11月号
4) その他、数多くのWebsiteから