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製作:1994年8月29日
記事:1994年8月29日
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ホビークラフトカナダのキットはあたりはずれが激しいが、このキットははずれの部類であろう。
このキットの前に発売された、Seafire Mk.XVがオオタキのキットを参考にしていて比較的良くできていただけに、後から発売されたこのキットのデキには、だまされたような気分となってしまう。
ただ、1/48でグリフォンエンジン装備のスピットはこのホビークラフトカナダのキットしかないので、あまり大仕事にならない範囲で手を加えて、カッコイイ5枚プロペラのスピットを完成させることにしよう。
それにしても新製品でMk.Vをハセガワとタミヤ両方が出していないで、Mk.VIIIやMk.IX、またはグリフォン装備のMk.XII、XIV、いっそうのことMk.22やMk.24などの新しいキットを出して欲しいものである。
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◇コクピット・キャノピー
コクピット内部は一応のものは揃っているので、シートベルトを付け加えただけである。
キャノピーはぶ厚いし、かたちもいまいちなので、本来なら他から流用するか作り直すところだが、めんどうなのでそのまま。
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◇胴体
胴体のかんじはオオタキの直系?らしく、後部の絞り込みが不足気味で太めだが気にするほどではない。
マッチボックスみたいな太いパネルラインが施されているが、これも埋め戻して彫り直すとなると大ごとになるので、気にしないことにする。
右側後部のアクセスパネルに、余分なスジ掘りラインが入っているので、パテで埋めておいた。
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◇主翼・尾翼
なんといっても、このキットの最大の欠点は主翼が厚いことである。
スピットは特に薄翼なのに、このキットのは何を考えているのか2倍ぐらいの厚みがある。修正は難しいので、塗装すれば気にならなくなると言う、ウワサを信じてそのままとする。(実際は塗装後もだいぶ気になった)
水平尾翼はそのまま使った。(ほんとうはオオタキからコンバートしてくると良い)
垂直尾翼は問題で、前後のコードが不足している。胴体側と方向舵側の双方に1.2mmプラバンをはさみ込みコードを広げ、幅広尾翼の特徴が良くでていないので、写真を見ながら削ってやった。
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◇エンジン・プロペラ
エンジンカウリング上部両脇にエアインテークがモールドされているが、実機では右側だけである。モールド自体も甘いので、一度削り落としてから右側だけを作り直した。
プロペラは他に例を見ない5枚プロペラである。5枚が一体にモールドされているので、各ブレードのバランスを気にしなくてもよい。ブレードが少々幅広のようだが、このほうが完成後に迫力が出るのでそのままとした。
大きなスピナーは湯口の場所が悪く少し欠けているので、プラ材などで埋めて、特に目立つ部分なので仮組みして充分にペーパーを掛けて仕上げてある。
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◇降着装置
主脚は良くできているのでそのままで問題ない。固定用金具がモールドされているが穴が開いていないので、0.3mmのピンバイスで穴を開けて置いた。
尾輪は少し小振りのような気もするがそのまま。取り付け穴が大きく支柱も短めなので取り付け部を工作して尾輪がきちんとした長さになるようにしてある。
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◇小物
外側の20mm機関砲用のフェアリングは短すぎるので、プラ棒などで作り直した。
胴体下面に小さめのスリッパタンクを懸架しているので、オオタキのものを2/3ぐらい縮めてつけてみたが、もう少し小さくする必要があったようだ。
胴体下面にはIFFのアンテナが付いているので追加する。オオタキのMk.VIIIバックミラーの半球を取り付け基部とし、細い金属線を埋め込んである。
キャノピーにバックミラーが付くので、プラバンから四角形を切り出して、一番最後に接着してあるが、どうも、実機のバックミラーは円形だったようだ。
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◇塗装・マーキング
マーキングは「世界の傑作機No.9」の23ページに出ている、第610スコードロンのDW◎E(S/N RB167)とした。
塗装はイギリス標準の下面:ミディアムシーグレイ、上面:ダークシーグレイ+ダークグリーンであるが、Mk.XIVは迷彩の境目がはっきりしている。
シリアルナンバーにインレタを使った以外は、マスキング・エアブラシで全て仕上げてある。全体のつやを整えたあと、要所要所にスミ入れをして完成。
資料を調べた訳ではないが、キット指定のマーキングは少々怪しい気がする。
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◇まとめ
完成しても、やはり主翼の厚みはだいぶ気になる。
しかし、5枚プロペラ、長い機首とスピットの中では、一番かっこいい機体かもしれない。
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◇参考資料
1) 世界の傑作機 No.9 スピットファイアMk.XII〜24
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