MODELLBAU |
---|
1:48 Hawker Hurricane Mk.IIc (Monogram) |
製作:1994年10月19日
記事:1994年10月19日 |
||
モノグラムの古いキットで、私は1976年にバンダイから発売されたものを買った。
キットのデキは古いだけにいろいろと問題が多く、いまでもたまに再販されているようだが、ハセガワかタミヤあたりで新製品を出してほしい機体である。 キットはいろいろなタイプのコンバージョン(どうもMk.Ia,Ib,IIa,IIb,IIc,IIdが守備範囲に入っているらしい)になっているのだが、どれを作るにしても素直には行かず苦労することになる。 |
||
◇コクピット・キャノピー
パイロットとメータパネルしか付いていないので、プラバンなどから床やシート、操縦桿などを作ってある。
キャノピーは少々長いようだが、このキットは全体的に寸法がいまいちなので、気にしないことにして作ってしまったが、完成してからチェックすると、やはり2mmぐらい長いようでキャノピー直前のパネルが外せない機体となってしまった。 |
||
◇胴体
北アフリカ戦線用のMk.IIcとするので、キャノピー前の防炎板を削り落とした。
胴体はどう見ても太すぎるがあきらめるしかない。 パネルラインを図面などを参考に彫り直すが、このキット場合、キットのラインを信じてはいけない。 ハリケーンなどのイギリス機は各部のパネルを止める金具が目立つので、注射針を削ったもので再現してやった。 |
||
◇主翼・尾翼
主翼や垂直尾翼は非常に厚くできているので、おもいっきり削り込む。この際、垂直尾翼だけは、布張りの表現を残すように努力した。
主翼は機銃用のパネルラインがa/b用となっているので、Mk.IIc用のパネルラインに図面(世界の傑作機 No.19のもの)を参考にして彫り直し、取り外しネジは胴体と同様に注射針で再現した。 さらに20mm弾倉用の卵型バルジを1.2mmプラバンから4個削りだして上面に張り付け、下面には薬きょうの排出口を4つ開けてある。 内翼と外翼間にあるリブのモールドが消えてしまったので、0.1mmプラペーパで再現した。実機の翼端は急激に薄くなっているので充分に削り込み、翼端灯を色付きのクリアパーツで作った。 両翼前縁の着陸灯はただのパネルラインなので、修正してある。まず、モールド部分を削り込みプラバンで仕切りを作る。 手芸用の光り物(名前が分からない:カットされている)に手を入れて丸くしたものでライトを作り、塩ビ板をヒートプレスしてガラスを再現した。 20mm機銃を取り付けるが、付け根になだらかなフェアリングがある。キットのは全然表現されていないので、プラペーパと溶きパテで再現した。 水平尾翼は固定タブのモールドがはっきりしていなので、0.3mmプラバンで作り直した。 垂直尾翼は削り込んだ時に無くなってしまった尾灯を、延ばしランナーなどで作り直した。 |
||
◇エンジン・プロペラ
Mk.II以降はエンジンカウリング先端に半円形のプレート(プロペラピッチ変更機構からの流出油よけ?)がついている。キットは表現があまくてなんだか分からないので、一度切り取って0.5mmプラバンで作り直した。
熱帯用なので機首下部の気化器にフィルターが付くが、キットのパーツは大きすぎるし、エアインレット付近の形も場所も悪い。 写真を見ながら削り込んだが、いまいちのデキとなってしまった。 排気管は感じがよく、少し形を整えるだけで使える。 ちなみにMk.I用とMk.II用の2種類が入っているで、余ったMk.I用パーツはエアフィックス1/48のMk.Iに流用した。 プロペラ、スピナーは一体整形されているので、スピナー前後のパーツを接着してから、プロペラを切り離しスピナーは充分に整形して使った。 プロペラは形・ピッチともおかしいので、エアフックスの1/48から流用した。(エアフィックス1/48にはプロペラ・スピナーが2種類入っている) 機体下面のラジエータカバーは形が悪いが、作り直すのもめんどうなので、手を加えただけで使うことにする。台形の裾が広がりすぎているので、ヤスリがけで修正し、モールドを直すついでにシャッターはプラ板で作り直した。 内部は写真を参考にラジエータを追加工作してある。 |
||
◇降着装置
脚収納口の形が間違っているのと、内部が筒抜けになっていて何もないのを修正することにした。
まず、収納口が左右分割になっているが、右左がつながっているのが正しいので、中間の仕切りを切り取り整形し、脚収容口内部はエアフィックス1/48のMk.Iを参考にしてプラバンなどで全部作り直した。 主脚は出し入れできる(時代を感じさせる)ギミックになっているが当然固定してある。ギミックのための不要な支柱を切り落とし、長さを調整して取り付けてある。 主輪も他から流用したいところだが、適当なものがなっかたので、そのまま使用した。 主脚カバーのデキもイマイチなので、プラ板などから作り直し、金属線(極細ハンダ線)でブレーキパイプを追加した。ハリケーンのブレーキパイプは、なぜか脚カバーに付いている。 |
||
◇小物
選定した機体は翼下にドロップタンクを吊り下げているので、キットのドロップタンクのパーツを使うが、形は良いのでリベットを削り落としパネルラインを彫り直して使用した。アンテナマストはキットのものを使用した。
|
||
◇塗装・マーキング
塗装は資料(1)に載っていた、第213中隊のAK◎W(S/N HL887)機とした。
下面:ダーク・メディティラニアン・ブルー、上面:ミドル・ストーン+ダーク・アースの標準迷彩塗装Aスキームである。 ラウンデルは主翼上面:Bタイプ48インチ、主翼下面:Cタイプ36インチ、胴体:C1タイプ40.5インチ(Cタイプ36インチの黄色枠付き)である。水平尾翼のフィンフラッシュは標準の24x24インチのもの。 マーキングはシリアルにインレタを使用した以外は、全てマスキング+エアブラシで仕上げた。 さらにハリケーンはなぜか、排気のスス汚れが胴体に目立つので、艶消し黒をエアブラシして表現し、要所要所にも薄めたアクリルのつや消し黒でスミ入れを行った。 |
||
◇まとめ
この砂漠塗装のハリケーンは、あごのフィルターや20mm機銃、ドロップタンクなど、無骨さにあふれた機体で、塗装自体も大好きなダーク・メディティラニアン・ブルーの下面で、良い感じに仕上がったと思っている。
他のタイプ(Mk.IIdあたり)も並べたいところだが、このキットだと完成には結構な労力を要してしまう。やはり、タミヤ・ハセガワあたりから新キットが出てから欲しいところである。 |
||
◇参考資料
1) 世界の傑作機 No.19(1971年8月号)
2) 航空ファン 1977年10月号 3) 航空ファン 1985年4月号 |