MODELLBAU
1:48 Supermarine Spitfire Mk.VII (Arii)

SpitfireVII_1
製作:1993年10月22日
記事:1994年3月19日
いにしえのオオタキ後期スタンダードのキットである。良くまとまってはいるが、エンジンカウル、主翼のエルロン、主脚など問題も多い。
このMk.VIIIのキットを、Mk.VII(高高度戦闘機)に改造する。

なお、このキットは増原氏より頂いたものだが、オオタキがなくなってから金型が渡ったアリイ製である。

◇コクピット・キャノピー
出来はいまいちだが、キャノピー越しだと良く見えないのでそのまま。
内部の塗装指定はないが、イギリス機は明るいグリーングレイ。メーターパネルを3mmほど後ろにしてある。
キャノピーは、Mk.VIIではスライド式ではなく、固定式なのでスライドレールは、パテ埋めする。

◇胴体
尾部の絞り込みが足りないが、側面形やパネル表現はすばらしいと思う。
胴体下面中央に、着陸灯がついているので、透明プラ棒で再現したが、すこし小さかった。
また、主翼付け根後部はキットのように平面ではなく、えぐれたカーブになっているので、半丸ヤスリなどで削り込んである。

◇主翼・尾翼
主翼の延長が改造の最大のポイントである。
まず、組み立てる前にエルロンの外側から5mmぐらいのところで主翼を切断する。このエルロンが後期スピットの標準である。
切断した翼の上下を張り合わせる時に、1.2mmプラバンを延長部分の芯となるようにはさみこむ。
次に、さきほどのプラバン上下に1.2mmプラバンを大体の翼型に切ってたっぷりの接着剤(本当は、瞬間接着剤の方が良い=後から知った事実)で接着する。充分乾燥させた後、気がすむまで削り込むが、少々厚すぎたか?
延長部の前部には翼端灯が一体となってついているので、三角に切りとってから、色付きプラ材を接着してある。

右翼下面にはIFFのアンテナがついているので、プラバンで追加。左翼のラジエータ内部は、外側がオイルクーラで、細かい仕切りがついているので、0.3mmプラバンで再現した。
最後のよごし段階で気がついたのだが、このキットには、最外翼の7.7mm機銃用の薬きょう排出口が開いていない!!(この時点では、修正は不可能)

垂直尾翼はとんがり翼の感じが非常によく、水平尾翼も表面モールドなど感じがよい。
水平尾翼は、Mk.VI(Mk.IXも含む)までと、Mk.VII以降ではエレベータのかたちが違うので注意が必要。キットはきちんとMk.VIIのものとなっている。

◇エンジン・プロペラ
エンジンカウルのボリュウムが足りないが、キットのまま。排気管は付け根が広がっているので、付け根部分を削り込んだ。
Mk.VIIはエンジン右側に大きなエアインテークがついているので、ランナーを加工して追加してある。機首のコフマンスタータ用膨らみは、少々小さいような気がするが、そのまま。

エンジンカウル直後に、給油口が一段低くなってついているので、ピンバイスで開口しプラ棒を埋め込んで再現してみた。
エンジンカウル下部の気化器インテークは熱帯用フィルターがついていないタイプなので、キットのパーツを6.0mmほど詰めて使用した。

プロペラとスピナーはキットのまま。

◇降着装置
主脚に変な溝がいっぱい入っているので、0.3mmプラバンで逆に出っ張るようにして修正し、固定用の穴開き金具やブレーキパイプを追加したが、オレオのトルクアームはMk.VIIにはついていないようだ。
主輪と尾輪は、キットのままである。

SpitfireVII_2 SpitfireVII_3 SpitfireVII_4
◇小物
20mm機銃は一回り細いがそのまま。アンテナマスト、ピトー管なども、キットのものを使用した。

◇塗装・マーキング
「世界の傑作機」にのっていた、MD124。下面アズールブルー、上面PRブルーで、工場での撮影らしく、国籍マークとシリアル番号以外のマーキングがないシンプルな塗装。
PRブルーは色調がよく分からなかったので、ミディアムシーグレイとした。
ラウンデルは型紙・エアブラシ、MD124はインレタで仕上げた。細かいステンシルは、後でタミヤかハセガワのデカールを調達するつもりである。

◇まとめ
ちょっと変わった感じのスピットファイアができあがった。グレーのベタ塗りと小さめのラウンデルが、シックな感じだ。
スピットの高高度戦闘機型には、このタイプの他にMk.VをベースにしたMk.VIがあるらしいが、こちらもキットは存在していない。

◇参考資料
1) 世界の傑作機 1975年2月号 スピットファイアMk.I〜XVI
2) エアカムシリーズ No.3 Spitfire Mk.I〜XVI
 ※ラウンデル寸法などの資料を、増原氏よりお借りした。