MODELLBAU
1:48 Supermarine Spitfire Mk.Ia (Tamiya)

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製作:1997年2月23日
記事:1997年3月9日
ハセガワのMk.Vbに続いて発売されたキットで、シリーズとしてMk.VやMk.V Tropなども発売されている。 1/48のスピットファイアのMk.I型は、私の知る限りでは初めてのキットである。

レベルのMk.IIaもまあまあだったが、結局完成させるためには、タミヤやハセガワのキットから色々流用することになったし、現在ではなかなか手に入らない。
そういう意味でも、このタミヤのMk.Iはスピット初期型の穴を埋める、重要なキットである。
キットは、タミヤらしく非常に作り易く、表面モールドや全体形の捉え方なども申し分ないデキである。
ただ、オプションパーツがほとんどないのは、タミヤらしいところではあるが、できれば極初期型の木製2枚プロペラと、膨らみのない中央キャノピーのパーツを入れて欲しかった。


◇コクピット・キャノピー
コクピット内は、少ないパーツ構成だがきっちりと仕上がる。計器パネルはモールド仕上げである。
酸素ボンベが座席後部の左側にパーツ化されているが、なぜかハセガワは逆で、座席後部右側に付いている。

Mk.Iのコクピット内部写真を見ると、座席の前縁に穴の開いた板が付いていたので追加してみた。また、座席後部のフレームの軽め穴が貫通していないので、ピンバイスで貫通させてある。

中央キャノピーは、2種類用意されているがMk.I型なので、小判型の小窓が付いているタイプとする。
照準器のリフレクタは、いつもなら透明プラ板に置き換えるところだが、キットのできが良いのでそのまま使用した。

◇胴体
基本的には特に問題ないが、フィレットが若干張り出しすぎか?
コクピット前の燃料口のキャップが別パーツになっているのは特筆ものであるが、隙間ができるので溶きパテで整形してある。
コクピット直下に、着陸灯?が透明パーツで用意されているが、反射鏡のみプレスした金属板(ブリキ板)で置き換えてある。この着陸灯は赤色のようだ。

◇主翼・尾翼
ここも基本的には全く問題ないが、7.7mm機銃が主翼パーツと一体化しているのはタミヤらしいところだが、整形上は問題が多い。
今回は、テープでパッチされてる状態とするので、そのまま組み上げた。

翼端の航行灯は、クリア材で作り直してある。

◇エンジン・プロペラ
エンジンカウル周りやプロペラとも問題ない。
排気管は一体整形だが良くできている。排気口はあまり目立たないので、開口していない。
ちなみに、このプロペラは最近はやりのポリキャップ式ではなく、差し込み式である。

◇降着装置
主脚は大変細くできていて、タミヤらしくないが雰囲気は抜群である。トーイングフックに穴が開いていないので、ピンバイスで開口してある。 ブレーキパイプは、あまり目立たないので、追加していない。ちなみに、ハセガワのSpitfireは、この主脚関係があまり良くない。

主輪はホィール部分が別パーツになっていて、塗装がしやすい。主脚カバーも薄くて良くできている。

尾輪は特に問題なし。取付部が大きく丈夫なのはタミヤらしく、好感が持てるところである。

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◇小物
アンテナマスト、ピトー管ともキットのまま使用してある。

◇塗装・マーキング
塗装は、キット指定の第92飛行隊QJ◎B(S/N X4561)とした。なぜかというと、左翼を黒く塗った塗装をして見たかったからである。
下面はスカイ、左翼のみ黒、上面はダークアース+ダークグリーンの標準迷彩塗装である。パターンやマーキングは、基本的にはキットの指定通りで間違いないようだ。

ただ、左翼下面のラウンデルは疑問のところで、キット指定は50インチのA1タイプだが、この下面塗装の経緯からいっても、右翼と同じ50インチのAタイプの外周を、黄色で縁取ったのが正解であろう。
資料(2)に、この機体の写真が小さく掲載されているが、その写真から見ても、キットのデカールとは違うようだ。

シリアルや細かい注意書き以外は、全てマスキング+エアブラシで仕上げてある。主翼の7.7mm機銃口は、防塵テープで塞がれた状態としたため、赤いデカールを貼ってシール状態を再現してある。

汚しはあまりくどくならないように、薄めたエナメルのフラットブラックでスミ入れしてあるぐらいである。
いつものように、最後にセミグロスのクリアをエアブラシして、仕上げてある。

◇まとめ
1/48スピットとしては7機目の完成キットだと思うが、やっと苦労しないでも仕上がるキットが製作できた。
思えば、レベル、オオタキ、(モノグラムは持っていない)などは仕方がないとして、エアフィックスやホビークラフトカナダなど、もう少しなんとかしてくれ!!と言いたくなるキットであった。

このキットと同時にハセガワ1/48のMk.Vbも完成したので、完成キットとしてはスピットファイアは一番多く作っていることになる。
この他、Mk.VbおよびMk.VbはTrop(タミヤ)やMk.XIV(アカデミー)、Mk.XII(ホビークラフトカナダ改造)などが在庫になっているし、これ以外のスピットファイアの主要形式もいつかは作りたいと思っている。

ハセガワも良いキットなのだが、主脚の仕上がりを比べてみると、やはりこのタミヤの1/48がベストキットということになるのかもしれない。

◇参考資料
1) 世界の傑作機 1975年2月号 スピットファイアMk.I〜XVI
2) エアカムシリーズ No.3 Spitfire Mk.I〜XVI
3) Spitfire in Action AIRCRAFT No.39
4) Aearo Detail Spitfire
  ※資料(3)と(4)は増原氏からお借りした。いつも、ありがとうございます。