MODELLBAU
1:48 Supermarine Spitfire Mk.IXc (Ootaki)

SpitfireIXc_1
製作:1994年4月29日
記事:1994年4月30日
今は亡きオオタキ1/48シリーズの後期スタンダードキットである。
良くまとまっているが、エンジンカウルのボリューム不足・胴体後半の絞り込み不足、主翼付け根、主脚など問題も多い。
キットのMk.VIIIとするにはエルロンが長すぎて修正する必要があるが、今回製作するMk.IXとするならそのまま使用できる。

水平尾翼の昇降舵のラインはMk.IXとMk.VIIIでは違っているので修正する。また、尾輪は引き込み式から固定式に改造する必要があるが、オオタキのキットにはこの固定脚の部品も入っている。
とんがり尾翼はこのタイプを装備しているMK.IXもあるが、今回製作する機体はMk.Vのタイプなので削って修正する。

◇コクピット・キャノピー
キャノピーが厚くて完成後は何も見えなくなるので、ほとんど手は加えていないが、計器パネルが前に行き過ぎているので3mmほど後退させ、シートベルトを追加した。
キャノピーは前部風防が少し寝すぎているようだが、めんどうなのでそのまま使用する。

◇胴体
このシリーズのキット全般に言えることだが、胴体の絞り込みの捉え方が悪く、全てノッペリした紡錘形になってしまっている。側面形は良いのだが、このあたりは適当なところであきらめるしかない。
コクピット前部に給油口が、忘れられているので、一段低くなっているのを再現してある。
胴体下面には着陸灯が付いているが、これもただの丸いモールドだけなので、追加工作した。クリアパーツと金属板をプレスした反射板で美しく出来上がるはずだったが、反射板を接着するのに使ったゴム糊のおかげでクリアパーツが曇ってしまった。(やはり手抜きはいけない)

◇主翼・尾翼
最初に書いたように、Mk.IXcの場合 基本的に主翼はそのまま使用できる。
このキットの忘れものとして、一番外側の機銃用の薬きょう排出口が開いていないことがある。前回のMk.VIIを製作したときから気がついていたが、めんどうなので今回もそのままとしてしまった。

尾翼の昇降舵のラインはMk.VIIからキットのような2段ラインが見られるようになる。Mk.IXでも見られると思うが、今回製作する機体はMk.V以前の1段ラインなのでパテ埋めして修正した。

垂直尾翼もとんがり尾翼から、これもMk.以前のタイプに削って修正する。方向舵に尾灯が付いている。当初、忘れていたのだが後から延ばしランナーを使って追加してある。

◇エンジン・プロペラ
エンジンカウリングはバルブを被う部分のエラががけっこう張っているのだが、キットでは充分表現されていない。このおかげで、機首全体とスピナーが小さくみえるが、修正は難しそうなので手を出さなかった。

気化器のエアインレットはパーツの合いが悪いので充分にすり合わす必要があった。Mk.IXでもキットのようなフィルター付きのタイプと、長さが短いフィルターなしのタイプ(Mk.Vのものとは形が違う)があるので、作る機体をよく確かめてから製作したいところだ。
排気管は幅が広すぎるのでやすりで、機体の開口部と同じ幅まで削り込んである。
プロペラ・スピナーは、キットのままで問題ないだろう。

◇降着装置
スピットの主脚はけっこうデコボコしているのだが、このキットはなぜか出っ張らずに溝になっている。 長さも1mmぐらい長いようなので、本当はタミヤかハセガワから流用すると良いのだが、もったいない。
そこで、溝の部分を0.5mmのプラバンを細く切ったもので埋め、出っ張りを表現してやった。あとは、固定用の金具を0.3mmのプラバンで追加してある。
ブレーキパイプは良く見えないのでオミットした。なお、Mk.IXの主脚にはトルクリンクはついていないようなので削っておいた。

タイヤは大きさやホイールパターンなど問題ないが、ホイールの裏側が少しさみしい。しかし、発売当時400円?のキットに、そこまで求めるのは少々酷な話しであろう。

尾輪は最初に書いたように固定式に改造する必要があるが、このキットにおまけで付いている固定式のパーツを取り付ければOKである。作業性を考えて、パーツを接着後、尾輪を根本から切り取り最後に金属棒を芯にして接着し直した。

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◇小物
アンテナマスト、ピトー管などはキットのものをそのまま使用した。
バックミラーのパーツ(丸形)はいっしょに作ったMk.XIVのIFFアンテナの取り付け部としてしまったので、プラバンから角形のものを作り出した。

◇塗装・マーキング
エアカムシリーズに載っていた、第73飛行中隊のZ◎←(SN SM147)機とした。
他のスコードロンには見られない胴体のひし形マークや1文字だけで大きな機体コードなど、あまりかわりばえしないイギリス空軍のマーキングの中で異色であり、並べて見たときに目立つこと請け合いである。

塗装はイギリスの後期戦闘機標準塗装の下面:ミディアムシーグレイ、上面:ダークシーグレイ+ダークグリーンの迷彩塗装である。スピナーと胴体後部の帯はスカイ(ダックエッググリーン)

マーキングで問題だったのが、ひし形の色でエアカムのカラー図ではダークブルーとライトブルーとなっている。同じスコードロンのマークがモノグラムのハリケーンに入っているが、これはダークブルーとレッドとなっている。
ところが、写真で見ると、この2つどちらかとも思えない。いろいろ悩んだ揚げ句、外側:黒色、中側:ダークブルー、中央の帯:白色としたが確証がある訳ではない。機体コードのZは白色とした。
マーキングはシリアルにインレタを使った以外は、全てマスキング・エアブラシで行った。全体に半つや消しのクリアをエアブラシした後、スミを入れて仕上げた。

◇まとめ
スピットもMk.IXともなると、ちょっとくだびれてきたかな?という感じがする。

◇参考資料
1) 世界の傑作機 1975年2月号 スピットファイアMk.I〜XVI
2) エアカムシリーズ No.3 Spitfire Mk.I〜XVI