MODELLBAU |
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1:48 九州飛行機 局地戦闘機 震電 (Hasegawa) |
製作:1997年7月4日
記事:1997年7月5日 |
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ハセガワが、1/48の単発機を開発し始めた頃(1985年頃?)のキットで、この他に零戦52型、紫電改など同様のできのキットがある。
この頃はモールドがまだ凸表現で、細部も現在のハセガワのスタンダードキットと比べると、リサーチ不足だったりするが、価格もそれなりで、良いキットばかりである。 この震電は、当時は”ゲテモノ”ような気がして購入しなかったのだが、最近になって海軍局地戦闘機シリーズ(自称デンデン虫シリーズ?)を、揃えて行く過程でやはり製作する気になったものである。 キットは、最近リニューアルされた、「1946年帝都防衛」なるさらにゲテモノっぽいキットであるが、試作機+α仕様=博物館復元機仕様で製作してある。 |
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◇コクピット・キャノピー
コクピットのパーツもそれなりのものが揃っているが、座席の後ろに付く酸素ビンは取り付け位置が、よく分からない構成になっている。
この辺りは、実機写真が資料(1)に結構多く掲載されているので、手を入れることも可能であるが、「キットのパーツを基本的に使う」方針で製作してある。 メータパネルは、デカールが用意されているが、モールドもデキが良いので、塗装で仕上げてある。 座席もキットのままだが、シートベルトはファインモールドのエッチングパーツとドラフティングテープで作ってある。 キャノピーも3分割で作業しやすく、形状、透明度、胴体との合いとも申し分ない。ただ、分割されているとはいっても、このまま開状態が作れる訳ではない。 |
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◇胴体
モールドが凸彫りなので、全て彫り直してある。
基本的なパネルラインは正確なようで、基本的にキットのモールドをテンプレートとしたが、一部作業しにくい場所はオミットしてある。また、一部のパネルには、リベットを表現して見た。 前輪式なので、前端部に重りを入れてあるが、足が長く細いので、おもりの量はぎりぎりに抑えてある。 ところで、このキットは試作1号機にしては、30mm機関砲が装備されているが、パネルラインが、それらしくない。 ちなみに、薬莢の排出口があいていないのは、後ろにあるプロペラと、ぶつかるのを防ぐため、全て機体内部に収納する構造になっていたためらしい。 |
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◇主翼・尾翼
主翼は、翼端の反り上がりも表現されており、特に問題ないようだ。パネルラインを彫り直して、翼端灯はクリア材で置き換えてある。
主翼中ほどに付く垂直尾翼は、形自体は問題ないが、主翼との合いがイマイチで、すき間を埋めるのにパテが必要だった。 本機の特徴である前翼も形は問題ないが、胴体との合いに問題があり、整形に充分時間を掛ける必要があった。 前翼・尾翼ともマスバランスや補助輪が作業中に破損しやすいので、紛失しないように注意が必要である。 |
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◇エンジン・プロペラ
エンジンは、当然?オミットされている。
プロペラは、6枚構成という前代未聞のもので、大きなスピナーが付く。特に問題はないが、プロペラとスピナーを組み上げないと、スピナーの整形できない構成になっているため、少々不便である。 ただ、機体に取り付けると、このスピナーの合わせ目は、カウリング内部に来るため、ほとんど見えなくなってしまう。 |
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◇降着装置
震電の脚柱は非常に長く、また、主輪は前方15度ほども傾斜して付いている、変わった構成になっている。
ここは、主輪・前輪ともキットのものをそのまま使用してあるが、強度的には非常に不安である。主脚には、0.5mmほどの(少々、太い)ハンダ線でブレーキパイプを追加してある。 |
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◇小物
右翼につくピトー管は、0.8mmアルミパイプと0.3mm真鍮線の組み合わせで作り直してあるが、ピトー管が右翼に付くのは、日本機では珍しいのではないだろうか?
機首の30mm機関砲は、1.2mmアルミパイプで4門とも(2門は胴体パーツの一体になっている)置き換えてあるが、特徴ある砲の先端は丸く削っただけでごまかしてある。 2本あるアンテナマストもキットのままだが、取り付け部は穴を開けて強度を上げてある。アンテナ線は、最近のパターンで髪の毛を使ってある。碍子は、エポキシ接着剤をチョコ、チョコと付けて、玉にして表現してみた。 |
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◇塗装・マーキング
塗装・マーキングは、アメリカ軍引き渡し時点の写真を参考にしているが、この時点では、アンテナ・30mm砲、風防のガラスなどは未装備となっている。
細かいマーキングは、キットのデカールをもとにして、マスキング+エアブラシで仕上げてあるが、キットの指定や、資料(1)では右側だけとなっている、コクピット両側に付いているカウルフラップの注意マーキング(黄橙色)は、良いアクセントになるので、両側に施してみた。 「オスナ」「フムナ」はキットのデカールを使用したが、マークソフターを使うと白浮きもせず、きれいに貼れた。 博物館復元機という設定なので、塗装の剥がれ、汚しなどは行っていない。 塗装が暗緑色が暗くなってしまい、地味な感じになってしまった。次からは、もう少し明るい色に調合して塗って見ようと思っている。 |
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◇まとめ
後ろ姿が、何とも迫力があってカッコイイ!!この一言だろう。
昔から人気があった機体で、タミヤの1/72はコレクターズアイテム的存在で、プレミアが付いていたこともあった?ようだし、ハセガワは、1/72でジェットエンジン装備機までも発売してる。 まあ、私のコレクション方針からすると、1機は作るが2機は作らない機体である。これで海軍局地戦戦闘機シリーズがひとつ埋まったことにある。 ちなみに、このシリーズは以下の通り。
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◇参考資料
1) 世界の傑作機 No.129 1982年1月号 九州飛行機 海軍試作局地戦闘機 震電
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