MODELLBAU |
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1:48 三菱 局地戦闘機 雷電31型 (Hasegawa) |
製作:1997年8月7日
記事:1997年8月9日 |
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長い間、雷電1/48のベストキットと言えば、20年以上前のタミヤのキット(21型)であったが、最近になってようやくハセガワから新キットが発売された。
もちろん、値段もタミヤの3倍ほどするし、20年も発売時期が違う訳なのだから、当然すばらしいデキと思って製作に取りかかったが、はっきり言ってタミヤの悪いところを、全部引き継いだような内容であった。 さらに、悪い事にハセガワは21型、31型、32型とシリーズ化するため、キャノピー直前の胴体上面部分を別パーツ化しており、製作をめんどうにしている。 こういうパーツ割は、確かに金型製作費用をできるだけ低く抑えて、シリーズ化に対応するため、仕方がないのかもしれないが、作る立場からすると最近のタミヤ1/48飛行機シリーズのように、あまり欲張らず、作り易さを追求する製品構成の方がありがたいのは、言うまでもない事である。 |
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◇コクピット・キャノピー
コクピット内部は、ハセガワがこのキット中で一番力を入れたようで、細かいバルブまでが、別パーツ化され、大きくて透明度の高いキャノピーに耐えられるだけの内容となっている。
コクピットの追加工作としては、次の3点を行っている。 1) 忘れられている?ヘッドレストのクッションを、0.5mmプラ板から製作追加 2) シートベルトをファインモールドのエッチングパーツで追加 3) 照準器のガラスを極薄の透明プラ板に置き換え 計器板は、キットのデカールを使用したが、全部をいっぺんに貼るのではなく、部分に小分けして貼ってある。 また、モデルアート誌などで指摘されているように、シートがだいぶ高い位置になっているが、さほど気にならないのでそのままとした。 また、防弾ガラスも、付いていないような気がするが、一応キットのまま装備状態としてある。 キャノピーは、形や透明度は問題ないのだが、複雑な形状のキャノピーを一体成形としたため、胴体との合いが良くないので、後ろの固定部分でだいぶパテのお世話になってしまった。 ここは、作業性なども考えると、せめて「後ろの固定部分」ぐらいは別パーツとして欲しかった。 このコクピット・キャノピー周りだが、タミヤのキットと同様な構成となっており、以下のような点で組み立てがし難い。 1) ヘッドレスト後の無線機が付く部分は、左右胴体と一体となっているため、合わせ目の整形が非常にやりにくい。 2) ヘッドレストの支柱と、アンテナ柱が一体となっているため、作業性が悪い。 3) キャノピーが一体で、形状が複雑なため、胴体との合いが悪い。 ここらあたりは、もう少し「作り易さ」を考えてキットを作ってもらいたいと思った。 |
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◇胴体
外形的には特に問題ないと思うのが、キャノピー前部の別パーツ部分では、結構パテを使ってしまった。ここは、もう少し慎重にパーツの合いを調整してやらなくてはいけなかったようだ。
また、カウリング前部パーツの胴体との合いも、タミヤほどではないが、若干段差ができていまい、パテを少し使用した。ここも、組み立てに気を付ければ、問題ないかもしれない。 胴体尾部の航行灯は透明パーツが用意されているが、そのままでOKとは行かず、接着してから胴体に合わせて整形する必要があった。 |
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◇主翼・尾翼
主翼・尾翼とも、外形や断面形など問題ないと思う。
主翼端の航行灯も透明パーツが用意されているが、ここは色付きの透明パーツで置き換えてある。 |
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◇エンジン・プロペラ
エンジンはタミヤ同様、付いていない。しかし、プロペラ付け根・強冷ファンまわりは、タミヤと違って実機通りの構成となっていて、関心させられた。
排気管が、一個づつ別パーツとなっていて、少々めんどうだが、でき上がりは、さすがに良くなる。真鍮パイプなどで作り換える場合も、やり易いだろう。この排気管は、位置指定が説明書では詳しくないが、胴体から離して接着するのが正解である。 プロペラ・スピナーの形状も問題ない。 |
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◇降着装置
主脚・尾輪ともキットのままで、問題はない。
ブレーキパイプは、0.3mの銅線で追加してあるが、脚カバーの取り付け部を少し削って、ブレーキパイプを通すための”すき間”を作ってやる必要があった。 主脚内部も非常に良いモールドで、内側扉の作動ロッドも別パー化されており、ストレート組でも精密感充分である。 ちなみに、主脚カバーはキットのように一枚ではなく、零戦と同じように下の台形部分と脚の長方形の部分とに、分かれているのが、1/48のキットとしては、このように1体で成形するのが正解だと思う。 |
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◇小物
20mm機銃の銃身は、0.8mm径のアルミパイプの先を、千枚通しでラッパ状に加工して作ってある。
アルミパイプだと、先端のテーパが実機とは若干、違ってしまうが、加工が簡単だしデキ上がりも悪くない。 内側の二号四型(長銃身)だけでなく、外側の一号四型(短銃身)も短い銃身を作って埋め込んである。 ピトー管は、0.8mm径のアルミパイプと0.4mm径の真鍮線との組み合わせで作り直した。 主翼上面にある、主脚出し支持棒も0.3m径の真鍮線で追加してある。 |
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◇塗装・マーキング
キット指定の第256海軍航空隊の「雷電186」号機とした。
塗装は、下面:明灰白色上面:暗緑色の標準塗装。国籍マークや主翼前縁の黄橙色塗装は、マスキング+エアブラシで仕上げ、尾翼のマークや、主翼上の赤線などはキットのデカールを使用した。 汚しとしては、暗緑色部分はアクリルのフラットブラックで、また明灰白色部分は、ダークグレイで動翼やパネルラインに、軽く汚しをかけてある。 その後、セミグロスクリアで艶を整え、排気管や薬きょう排出口のスス汚れは、パステルの黒をこすり付けてある。 |
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◇まとめ
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◇参考資料
1) 世界の傑作機 No.6 1996年11月号 海軍局地戦闘機「雷電」
2) 丸メカ No.7 1977年11月号 雷電 3) モデルアート No.485 1997年2月号 |