MODELLBAU |
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1:48 Focke-Wulf Fw190A-8 12/JG5 (Hasegawa) |
製作:1997年8月16日
記事:1999年8月16日 |
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一時期、先進的・高価格のハイテクキットを立て続けに発売した、トライマスターの有名なキットをベースとしたものである。
元のキットはメタルパーツやエッチングパーツを多用していたが、ハセガワのキットでは、メタルパーツ部分をプラパーツに置き換え、作り易さと低コスト化を計っている。 それでも、作りにくいことには変わりがなく、特にバラバラのカウリングや、エッチング製の防弾板など、製作に神経を使わされる。 現在では、オリジナルのA-8/F-8系列から、A-4やA-3も胴体パーツを新しく作ってラインアップしているようで、タミヤのA-3/F-8と合わせると結構なバリェーションが、1/48で揃えられる状況になっている。 |
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◇コクピット・キャノピー
コクピットは、プラ製のバスタブ型パーツに、サイドコンソールと、エッチング製メータパネルで作られるが、エッチングのメータパネルはモールドのメリハリが少なく実感に乏しい気がする。
ここは、プラ製の”きつ目”のモールドの方が実感があるようだ。 座席にも、エッチング製のシートベルトが付くが、こちら方は材質が硬い以外は、文句ないデキである。 問題は、防弾板部分で、基本的にエッチングパーツの組み合わせなので、製作がめんどうである。この組み立てには、資料(2)の記事が参考になった。 このコクピット部分は、エッチングパーツが多く組み立てに時間がかかってしまったが、一度コツをつかめば、パーツの合いは良いので、次からはもう少し手早く製作できると思う。 |
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◇胴体
特に問題はないが、機首部分の組み立てに少々失敗してしまい、胴体機銃パネルと胴体の間に段差ができてしまった。
今回は、機銃パネルを削って誤魔化してあるが、基本的には機銃パネルに合わせて、胴体にスペーサなどを入れて幅を調整するのが正解のようだ。 カウリングは例のバラバラのやつだが、表面モールドを消さないように、各パーツをできるだけ、すき間や段差ができないように削り合わせ、最低限のパテ埋めで対処してある。細かく見ると段差ができてしまったが、塗装すると全く気にならないので、モールドを消さないためにはこのやり方が正解のようだ。 |
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◇主翼・尾翼
主翼の外側機銃の下部パネル周辺に、金型差し替えにため、段差ができている。気が付くのが遅く修正できなかった。
翼端の、航行灯も透明パーツが用意されているが、色付きの透明クリアパーツに交換してある。 水平尾翼は、良く言われるように、薄過ぎるようだが、そのまま使用した。 垂直尾翼の後端に付く航行灯も、透明パーツで置き換えてある。 |
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◇エンジン・プロペラ
エンジンは簡単なモールドだけで付いていないが、特に気になるものではない。
プロペラ、スピナーとも、良いデキで問題ない。 |
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◇降着装置
主脚の格納部分は、大きなパーツを主翼パーツに組み込むようになっているが、ここも組み立てを失敗してしまい、前部に大きなすき間ができてしまった。
ちょっと見には、気になるものではないが、このため、主脚柱の作動アーム取り付けが狂ってしまい、この部分の組み立てに苦労してしまった。 デティールアップとしては、主脚オレオのトルクリンクに軽め穴をピンバイスで開け、極細のハンダ線でブレーキパイプを追加してある。 尾輪は、タイヤが回るようになっているが、少々凝りすぎ気がする。サイズも一回り大きいようだ。 |
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◇小物
主翼上面の主脚格納棒まで、プラスチックでパーツ化されているが、(トライマスター製では真鍮線が付属していたようだ)これはやり過ぎで、あっさりと省略してしまったほうが良いと思う。ここは、0.3mmの真鍮線で自作した。
増加タンクやETC501ラックなど、パーツが多く組み立てには時間がかかるが、デキはすばらしい。特に、エッチング製の懸架ベルトは、非常に精密感を増している。 20mm機銃やピトー管などは、いつものように、0.8mmのアルミパイプなどで、自作してある。胴体の13mm機銃は、キットのモールドのままで、銃口を開けただけである。 胴体下面のループアンテナ、左翼のモラーネアンテナなども、通常は金属線などで自作するのだが、エッチングパーツでちょうど良いパーツが用意されており、苦労なく仕上がった。ただ、ループアンテナ後部のFuG25アンテナは、エッチングパーツの整形に手間取ったので、0.3mmプラ板で自作してある。 |
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◇塗装・マーキング
塗装は、キット指定の12/JG5 ルディ・リンツ少尉機とした。実機写真が手元にないので、説明書の通りに塗装してある。
塗装は、下面:RLM76、上面:RLM74+RLM75の標準塗装。ここは、基本的にはマスキングは使用せずに、エアブラシだけで仕上げてある。 マーキングも、ハーケンクロイツや4番、●マークなどは、マスキング+エアブラシで仕上げた。スワチカは、白部分を塗装で、黒部分はキットのデカールのつもりだったが、寸法が違ってしまい、黒部分は、デカールの細切りの寄せ集めで仕上げた。 スピナーの渦巻き塗装も、マスキング+エアブラシだが、マスキングはデカールより、パターンを写して切り出して見た。 その他、撃墜マーク、部隊マーク、シリアル、注意書きなどはキットのデカールだが、注意書きは、デキ上がりがうるさくなるので、ほとんど省略してしまった。 このドイツ機のマーキング方法はいつも悩むところで、ハーケンクロイツの手書きはいいとして、今回のように機番やスワチカも手書きにした場合、すっきりと仕上がらないことが多い。デカールと混在させるのが一番良い方法だと思うのだが、今回はスピナーの色と機番の色が同じという事で、機番も手書きとした。デキは、いまいちと言ったところである。 |
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◇まとめ
組み立てに時間がかかり、非常にめんどうくさいキットではあるが、完成した姿は、Fw190の無骨さを充分に伝えてくれる仕上がりとなった。
特に、細部パーツが最初から細かいパーツやエッチングパーツで用意されているのが、精密感を増している原因だろう。
全体形のなかでは、主翼の上反角が不足気味のようだ。特に、タミヤのキットは、上反角が付き過ぎているようで、並べるとまったく違って見えてしまう。 これで、このめんどうなキット製作のコツも、ほぼつかんだ気がするので、次からはもっと良い仕上がりになる様、期待している。このシリーズは、タミヤのキットと合わせて、A3〜A9、F8、D9、Ta152などを、揃えたいと考えている。 |
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◇参考資料
1) レプリカ 1989年3月号
2) モデルアート 1995年6月号 3) Fw190とMe262写真集 航空ファン1973年5月増刊号 4) 第二次大戦ドイツ軍用機 航空ファン別冊 No.33 |