MODELLBAU |
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1:48 Focke-Wulf Fw190A-3 (Tamiya) |
製作:1997年8月24日
記事:1997年8月25日 |
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1994年にタミヤが突然に発売したドイツ機である。AFV関係では、ドイツものを数多く作っているタミヤも、飛行機となると1/100ミニジェットシリーズのMe262とMe163以来、20数年ぶりのことである。
キットの方は、タミヤらしい作り易さを追求した内容で、このキットと比べるのが、作りにくさでは、ピカイチの1989年に発売されたトライマスターを祖先とするハセガワ・ドラゴンのキットであるから、その点からいえば、1/48 Fw190のベストキットである。 しかし、外形的にはイマイチで、プロペラ付け根が細すぎる点や、垂直尾翼前縁が厚すぎる点、それに主脚カバーの形状など問題が多く、完成機のイメージを大きく崩す原因になっている。 |
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◇コクピット・キャノピー
コクピット内部は、トライマスイターに良く似た構成で、トリムタブ用ハンドルなども別パーツになっている。
また、メータパネルはモールド表現だが、細かく塗り分けてやると、実感あるものに仕上がる。 面白いのは、左胴体の内側に飛び出したピンで、最初は余分な整形ピンか何かと思い、切り飛ばそうとしたのだが、よくよく仮組みしてみると、これは左コンソールのスロットルレバーの取手になる仕掛けであった。 キャノピーは特に問題なく、防弾板もたった2つのパーツで、きっちり完成するようになっている。ちなみに、トライマスターのFw190では6個ものエッチングパーツや、プラパーツで構成されている。 キャノピー内部は、RLM66ブラックグレーで塗装するが、手塗りしてそのままだったため、少々艶ありになってしまった。 デティールアップとしては、シートベルトをドラフティングテープで追加してある。バックルや金具は、Fine Moldsのデティールアップ用のシートベルトパーツから、適当な金具を選んで流用した。ちなみ、ドイツ軍用のパーツは手元になかった。 |
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◇胴体
外形的には問題ないが、細かいところをチェックすると、左側面の無線機点検口の固定クリップのモールドがない点、右側後部の救急用具入れ?などのモールドがないようだが、あまり気になるものでもないので、そのままとしてある。
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◇主翼・尾翼
主翼・尾翼ともあまり問題ない。
エルロンや主翼外側の20mm用弾倉パネルなど、Fw190初期型専用パーツなので、ハセガワのキットのように改造する必要もない。この辺りは、タミヤらしいところである。 内側の主脚カバーは、主翼下面パーツと一体整形で、閉じられた状態で固定となっているが、できれば別パーツとして欲しかったところである。 ただ、水平尾翼の前縁の厚みはあり過ぎで、イメージが悪いのでヤスリでゴシゴシ削ってある。また、主翼の上半角は付き過ぎのようで、ちょっとイメージを悪くしている気がする。 |
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◇エンジン・プロペラ
Fw190のキットとしては珍しくエンジンパーツが付属している。
強冷ファンの陰からチラリと見える程度なのに、主脚内側カバーを翼のパーツと一体とする反面、エンジンはわざわざパーツ化しているところは、タミヤのこだわりを感じさせられる。 プロペラは、最初に書いたとおり付け根が細く、Fw190の力強いイメージを損ねている。ここは、スピナーはキットのものを使用したが、プロペラはフジミのBf109K型に付属している、G-10用のプロペラを流用し、付け根部分は適当なプラパーツで作ってある。 |
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◇降着装置
主脚・尾輪とも基本的には良いできであるが、主脚の取り付け角度が、少々傾斜してしまうようだ。
ここは、組み立て時に気を付ければ、大丈夫な部分なので、私の工作不良ということになる。 問題としては、キットのまま組み立てると、主脚と主輪が水平についてしまう点がある。ここは、もう少し主輪が地面に垂直に近い角度になるようにしてやる必要がある。 また、主脚カバーの形状も悪く、前部と下端をもう少し削ってやると、だいぶ見える形になる。 デティールアップとしては、主脚オレオのトルクリンクに軽め穴をピンバイスで開け、極細のハンダ線でブレーキパイプを追加してある。 また、主輪は特に問題はないのであるが、手持ちがあったので、True Detailsのレジンパーツと交換して見た。ちなみに、このレジンパーツは、新宿のイエローサブマリンの新春バーゲンで、特価100円で購入したものである。 |
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◇小物
主翼の20mm機銃は、いつものように0.8mmアルミパイプから作ってある。内側のMG151/20は銃身が肉厚なので、アルミパイプのように肉厚のパイプが丁度良い。
また、外側のMGFFは、ロート状のフラッシュファインダーが付いているので、精密ヤスリで加工してある。 ピトー管は、0.6mmの真鍮パイプと0.3mmの真鍮線の組み合わせで作ってある。また、主翼上面の主脚指示棒も、0.3mmの真鍮線で追加してある。この指示棒は、零戦や雷電などと基本的に同じ機能のものだが、写真で見るとけっこう長く突き出ている。 |
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◇塗装・マーキング
塗装・マーキングは、キット指定のJG26のウィルヘルム・ゲート大尉機とした。
基本塗装は、下面:RLM76、上面:RLM74+RLM75の標準迷彩で、マスキングは使用せずエアブラシだけで、仕上げてある。塗料は、全て自分でイメージで調合したものを使った。塗装パターンは、手元にこの機体の写真がないので、基本パターンをキットの塗装指定で、また、側面のモットリングは同一部隊・同一時期の他の機体を参考に、ごく少な目にしてある。 方向舵と機首下面の黄色は、Mr..カラー特色のRLM04を使用した。 マーキングは、新しいタミヤデカールの白の発色が良さそうだったので、キットのデカールで全て行った。ただ、資料(5)で指摘されていた、排気部分の黒塗装は、マスキング+エアブラシで仕上げてある。 仕上げには、いつもは半艶消しクリアを使用するのだが、デカールの艶が消えてくれず、仕方なく艶消しクリアを使用した。また、タミヤのデカールは充分に乾燥してから、クリアをエアブラシしても、シンナー分が多いと浮き上がってしまうので、要注意であった。 |
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◇まとめ
A-3ということで、Fw190初期型の軽快な感じを出したかったのだが、まあそこそこの成功といったところかな、と自己満足している。
単機で見る分には、Fw190らしくて良いのだが、トライマスターのキット(実際は、ハセガワ・ドラゴン)と並べると、主翼上半角や、主脚の取り付け角度が深すぎなど、あまりにもイメージが違い過ぎる。 多分に、トライマスターは、上半角不足、主脚取り付け角度不足気味なので、正解はこの2つのキットの中間にあるようだ。 |
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◇参考資料
1) レプリカ 1989年3月号
2) モデルアート 1995年6月号 3) Fw190とMe262写真集 航空ファン1973年5月増刊号 4) 第二次大戦ドイツ軍用機 航空ファン別冊 No.33 |