MODELLBAU
1:48 North American Mustang Mk.III (Hasegawa + Monogram)

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製作:1996年2月20日
記事:1996年3月4日
ハセガワから1991年に発売されたすばらしいP-51Dのキットで、このキット発売直前にハセガワ=モノグラムブランドのP-51Dを買っていた私としては、ハセガワにだまされた気分であった。
そこで、当時としてはP-51B/C型が発売される予定はなかった(実際にもハセガワからはまだ発売されていない)ので、古いモノグラムのP-51Bから胴体後上部とキャノピーを流用し、このキットをMustang Mk.IIIに改造することとした。

改造点は以下の箇所である。
 ・後部胴体とキャノピーの移植
 ・垂直尾翼前部フィレットの除去
 ・内側主脚カバーの小型化および閉位置での固定
 ・主翼前縁付け根部分の小型化
 ・機銃数の削減と機銃口の変更(6門→4門)
 ・着陸灯の変更(主脚格納庫→主翼前縁)
 ・主翼端灯の変更(翼端→翼上下)

このように、B/C型とD型では胴体が違うだけでなく、主翼を全面的に作り直さなければならない。
このためか、いままでD型のキットを発売して(正確な形の)B/C型をバリエーションとして出しているメーカはなかったが、この度タミヤからD型に続いてB/C型が発売された。
このこと自体はすばらしいことであるが、改造を始めていた私としては、またもやだまされたようながっかりしたような妙な気分である。

◇コクピット・キャノピー
コクピットはハセガワのものをそのまま使ってある。
実際にはメインパネルやサイドコンソールが違うそうであるが、無視してある。

キャノピーはモノグラムのマルコムウィンドウを使うが、デキはイマイチなのでデキの悪さが目立たないように開状態で固定することとした。

◇胴体
胴体後半の上部と前部ウィンドシールド部をモノグラムにすげ替える。ちょうど、パネルラインがある部分から、カットするとうまく行く。
胴体幅は、両キットとも同じようであまり問題にはならなかった。
ついでに垂直尾翼のフィレットも削り取って置く。この部分は、モノグラム胴体を合体させるにあたって、だいぶすき間などができるが、プラ板などで自然なラインになるように修正する。
この作業で一番気を付けるのは、モノグラムの胴体にモールドされている、燃料キャップのモールドをつぶさないようにすることである。

◇主翼・尾翼
主翼は最初に書いた通り変更点が多く、D型→B/C型への改造の場合、胴体部がたいへんなように思っていたが、実際やってみると主翼の方がたいへんであった。
項目別に方法を書いて置く。

 ・内側主脚カバーの小型化および閉位置での固定
   内側カバーをプラ板で自作し、パネルラインをやり直す。
   キットのパーツは合いが悪く、閉状態では使えない。

 ・主翼前縁付け根部分の小型化
   パーツ内部にポリパテを仕込み、ヤスリでただひたすら削る。
   この部分のカーブはたいへんデリケートで、写真の見る角度で全然違う印象を受ける。

 ・機銃数の削減と機銃口の変更
   実際は、取り付け位置が移動しているようだが、わずかの距離なので外側の穴を埋めただけにした。
   機銃口はカバー付きから、スピットのようにえぐれている形状にする。この際、外側が上にオフセットしているので注意する。

 ・着陸灯の変更
   主翼を切り欠いて、クリア材で表現した。
   いつも使う、エンビ板プレスによる表現は翼厚が薄すぎてうまくいかなかった。

 ・主翼端灯の変更
   キットの取り付け穴を埋め、上下に小さな、ライトをクリア材から削り出して取り付ける。
   P-39やP-40と違って、涙滴型ではなく、ただの半球形のような気がする。

主翼は以上であるが、尾翼はそのまま使用できる。

◇エンジン・プロペラ
エンジン・プロペラもキットのD型と同じである。
ハセガワのプロペラは、4枚がばらばらで、形状は良いが組み立てにくい。

◇降着装置
主脚内側カバー以外は、D型と同じようなのでキットのまま使った。
ただ、左側主脚格納庫に装備される着陸灯は付けない。主脚柱にはハンダ線でブレーキパイプを追加してある。

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◇小物
ピトー管はキットのものを使用してある。
アンテナは、選んだ機体はアンテナマストが無くなって、ホイップアンテナになっている。取り付け位置は左側に若干オフセットしている。

この製作の目玉である、ロケット弾はモノグラムのハリケーンで余ったものを使用し、弾架はプラ板で適当に作ってある。
この弾架は、P-51オリジナルのパイロンからぶら下がっている訳ではなく、パイロンの替わりに付いているようだ。

◇塗装・マーキング
塗装はイギリス軍の後期標準塗装である、下面:ライトシーグレイ、上面:メディアムシーグレイ+ダークグリーン。
迷彩パターンは写真から見ると、スピットなどと同じようで、いかにもイギリス軍らしい。

ラウンデルは主翼上面:48インチBタイプ、主翼下面:36インチCタイプ、胴体:36インチC1タイプとした。
全て、マスキングテープを切り出して、塗装で仕上げてある。

この機体はロケット弾架のテスト用らしく、シリアルナンバーのみで部隊コードや機体コードは記入されていない。塗装はシリアルのFX893をインレタにした以外は全て、マスキング+エアブラシで仕上げてある。
なお、マルコムウィンドウの枠は改修されたままのようで、塗装されていない。

◇まとめ
完成させて、モノグラムのD型と較べると、機首が一回り細い感じである。
このキットの場合、イギリス塗装と主輪の内側カバーを閉じているせいでさらに、強調されているかもしれない。

◇参考資料
1) 世界の傑作機No.28 1972年8月号 P-51A〜C ムスタング
2) 世界の傑作機No.52 1974年8月号 P-51D〜K ムスタング
3) 世界の傑作機No.133 1982年9月号 P-51D/H/K ムスタング
4) AIRCAM AVIATION SERIES No.1 P-51D Mustang
5) AIRCAM AVIATION SERIES No.5 P-51B/C Mustang
6) Modelart No.374 1991年8月号