MODELLBAU |
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1:48 Grumman F6F-3 Hellcat (Arii) |
製作:1996年2月4日
記事:1996年2月9日 |
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オオタキの1/48大戦機シリーズ最後を飾るキット(もしくはその1つ前)だったと思うが、シリーズ最後期のキットだけあって、非常にデキが良いキットである。去年(1995年)、ハセガワから新キットが発売されたが、コストパフォーマンスだけで考えると断然このキットに分があるようにも思える。
今回製作したキットはアリイから発売されたものである。当然?、オオタキ製のキットもストックしてあるがアリイのものは全般にデカールの質が落ちている。 普通、F6Fと言うと3型と5型のコンパチブルを考えるものだが、このキットは3型の中期仕様に限定されている。このため、3型の初期仕様や後期仕様、さらに5型にしたい場合、少なからず改造が必要となってしまう。 特に、キットのままのタイプで、すっきりした塗装例(写真)が見つからなかったので、困ってしまった。 |
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◇コクピット・キャノピー
コクピット内部は、床板が少々浅く感じられるが、一応それらしくはできている。
このF6Fは資料も豊富なため、ここに手を入れだすと切りがなくなってしまう。キャノピーが閉状態とするならば、あまり見えなくなるため若干の修正とディティールアップを行っただけである。 もっとも、このキットの場合はキャノピーを開状態とするには、キャノピーを切り離す必要があるが・・・ このキャノピーだが、透明度は普通なのだが、高さが不足ぎみで、中央部の膨らみも足らないため、やけに低く感じる。 ここは塩ビ板で絞り直すのが本当だが、手を抜いて、胴体側を0.5mmのプラ板でかさ上げしてごまかしてある。 また、後部窓部分は羽目合いが悪いため、キットのこの部分は切り落とし、別の透明プラ板で作り直してある。 |
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◇胴体
オオタキとしては深めのパネルラインで全て表現されているが、後部胴体などはこのモールドは疑問である。
平面形、断面形とも良いようだが、下部排気管直後にあるカウルフラップ?が忘れられている。また、後部胴体下面に3色の認識灯が付くが、それぞれ目立たないのと、パーツ割上加工しにくいので省略してしまった。 エンジンカウリングは、キットが古かったせいか、合いが良くなかった。パーツを接着しパテ盛り、パネルライン直しとけっこう時間がかかった。 |
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◇主翼・尾翼
平面形や厚みとも問題ないが、細かい点で修正が必要である。
1つはエルロンの翼端側のパネルラインが違っていて、幅が広すぎること。 2つ目は右翼エルロンのトリムタブにヒンジが付いていることである。 その他キット指定の空母ヨークタウン(CV-10) CAG-5指揮官ジェームズ・H・フレイトリー中佐機としたので、3型初期型の特徴である機銃カバーが必要となる。 エルロンは余分なパネルラインをパテで埋め、アクリルカッターでパネルラインを修正、ついでにフラップのパネルラインがおとなしいので、一段深くしてある。トリムタブも同様で、右翼のみ固定タブに改修してある。 ちなみに左翼はそのままで良いが、5型とする場合には左右とも改修が必要である。(資料:HJ誌参照) 翼端灯は赤と青色のクリア材で置き換え、左翼下面の着陸灯はクリア材でレンズを作り、ブリキ板をプレスした反射板を仕込んである。 ちなみに翼端灯は、レンズは透明で、内部の電球に色が付いているタイプなのだが、加工がめんどうな割にデキ映えが良くないので、レンズに色が付いたタイプとしてしまった。 主脚取り付け部の内側に、ブライダルフックが付いているのだが、目立たないので省略した。主翼下面のパイロンは形が良くないため、取り付け穴を塞いでしまった。ただ、手元にある2枚の写真でフレイトリー機は、撮影時期は違うようだが、両方とも主翼パイロンを装備しているので、ハセガワの1/48に付属していたら流用する予定である。 |
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◇エンジン・プロペラ
エンジンは一発モールドだが、同シリーズのF4Uコルセア(これのエンジンはひど過ぎたが)などに較べると格段に進歩している。
取り付けが奥く過ぎるだが、ギアハウジングが長すぎるのを修正しなければいけないので、そのまま使用してある。このあたりは、同社のP-47も同様である。 プロペラは充分なデキであるので、キットのままである。なお、フレイトリー中佐機のプロペラにはメーカーのロゴマークが付いていなかったようなので、デカールは貼っていない。 |
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◇降着装置
主輪はタイヤのモールドがないのが不満だが、追加工としてはブレーキパイプを追加しトルクリンクに軽め穴を開けただけである。
主脚カバーは1mmほどして下に付け、前部カバーは角が丸いので、やすりで丸めである。 尾輪は、両サイドのステーに軽め穴を開け、0.5mmほど低めに調節してある。 |
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◇小物
増加タンクは、取り付け用ステーとバンドを切り落とし整形してある。また、左側の前方に燃料キャップがあるので、プラ棒から切り出して追加し、切り取ったステーとバンドはそれぞれ0.5mmプラ板と0.1mmのプラペーパで作り直してある。
アンテナも金属などで作り直してある。私としては珍しくアンテナの張り線をまじめにやって見た。F6Fは大柄なので、1/48で張り線を施しても違和感がないようだ。 |
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◇塗装・マーキング
塗装はキット指定の空母ユークタウン(CV-10) CVG-5指揮官機とした。前述したように、時期により国籍マークのふちどりが赤色の時と、青色とした写真が残っているが、キットの指定通り、赤いふちどりとした。
マーキングは尾部と前部主脚カバーの「00」以外は全てマスキング+エアブラシで仕上げてある。この尾部の「00」はオーバースケールだが、気になる場所ではないのでそのまま使用した。前部主脚カバーの「00」はキットに付属していないので、ジャンクのデカール(タミヤ1/100 A-7あたりか?)から流用してある。 三色迷彩はだいぶ試行錯誤をしてしまい、結局3回も塗装し直してしまった。この迷彩は、塗装色の彩度が高いのと、実機での色あせが激しいため、感じ良く仕上げるのが難しい塗装である。 最後にクリア+フラットベースで艶を整え、わずかにスミ入れをした。また、F6Fは、排気と機銃まわりがけっこう汚れている。ここは、大げさにやった方がそれらしく見える。艶消し黒で汚れを再現し、溶きパテ(サーフェイサ500)に少量のダークブラウンを入れたもので、排気熱による塗料の変色を再現して見た。 |
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◇まとめ
取りあえず1機完成させて見ました、といったところ。塗装を変えて、2〜3機は並べてみたいキットではある。
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◇参考資料
1) 世界の傑作機 No.22 1972年2月号 F6F
2) 世界の傑作機 No.115 1979年11月号 F4F/F6F 3) 丸メカニック No.40 1983年5月号 F6F 4) ホビージャパン No.87 1976年11月号 |