MODELLBAU
1:48 Dornier Do335A-12 (Monogram)

Do335A-12_1
製作:1989年6月28日
記事:1994年9月4日
Do335の1/48キットでは唯一で、1980年ぐらいのモノグラム製である。
この頃のモノグラムはなぜか組み立てにくく、パーツの合いが悪いキットが多いが、このキットもそんな中のひとつである。
単座(A-0)と複座(A-12)のコンパチとするため、胴体上部が別部品となっているが、当然組み立てには苦労することになる。
また、この時期のモノグラムキットは、やたら各部のパネルが開閉選択式(ディオラマ用らしい)となっているが、その合いがやたらに悪く、閉めた状態で作る場合は、ここでも苦労させられた。

しかし、試作しかされなかったとはいえ、串型エンジン配置で特異な形態のDo335A-12の迫力は、その大きさとも相まって他を圧するものとなった。
やはり、Do335をどうせ作るなら胴体上部がのっぺりとした単座より複座ですネ。

◇コクピット・キャノピー
コクピット内部は、一見するとモノグラムタッチで良くできているようだが、やはり資料不足のようでサイドパネルなどは怪しいモールドになっている。
私としても修正するだけの資料もないので、丁寧に塗り分けシートベルトを追加しただけ。

◇胴体
ここがいちばん手のかかる場所である。
まず、パネルラインを凹線に全て彫り直すが、パネルラインは良く分からなかったので、キットのものをテンプレートとした。
次に複座用の上部胴体と別部品になっている後部エンジンパネルを取り付けるが、どちらも合いが悪い。
あらかじめ取り付けのガイドをプラバンで追加したりして、パーツ毎にできるだけ段差ができないようにした。
そのうえで、プラバンの細切りやパテですきまを埋めて滑らかなラインになるまで、やすりと水ペーパで仕上げる。

前部エンジンのカバーも別部品だが、こちらの合いはそれほど悪くないので、丁寧に組み立てれば、すき間は気にならない。

胴体後部のエアアウトレットの中が筒抜けになっていたので、プラバンで塞ぎ、そのうしろに付いている大きめの尾灯は透明パーツで作り直した。

◇主翼・尾翼
主翼はとにかく大きくてぶ厚い。
大ざっぱな(と感じられる)パネルラインが凸線で表現されているが、ここも資料不足でパネルラインを凹線に彫り直しただけ。翼端灯は透明パーツで作り直した。

別パーツのフラップは閉めた状態で固定。翼端灯は透明パーツが用意されているが、なかに反射板を組み込めばよかった。(アルミ板などをプレスして、反射板を作り出す技法は最近ようやく会得した)

◇エンジン・プロペラ
エンジン・プロペラ・スピナーについては、キットのままで何もしていない。

◇降着装置
いくつものパーツで精密に再現されているようなので(資料不足で本当のところは分からない)、ストレートに作った。
ブレーキパイプが付いているはずだが、どこについているか分からなかったので、付けていない。

Do335A-12_2 Do335A-12_3 Do335A-12_4
◇小物
胴体上部のループアンテナとピトー管はキットのものを使用したが、ピトー管は特にできが悪いので、いずれ金属パーツなどで作り直したいと考えている(この写真を撮影した[22/March/2002]に、ICソケットピンと交換)

◇塗装・マーキング
キット指定の112号機だが、前部エンジン部は無塗装とはせずに迷彩塗装を施した。この部分はアメリカ軍に摂取された時点の写真では確かに無塗装パネルがついている。

大戦後期の機体なので、下面:RLM76、上面:RLM81+82の可能性もあるが、試作機で複座練習機ということで、下面:RLM76、上面:RLM70+71としたが、色調はイマイチとなってしまった。

マーキングはハーケンクロイツ(国籍マーク)はマスキング・エアブラシで、スワチカと機番はデカールを使用し、機番はデカールの上からタッチアップしてある。

◇まとめ
とにかく、主翼が厚くて大きい飛行機で、こんなので、最高時速700km/h出せたというのが、ちょっと信じられない。
脚も長いので胴体の形状と相まって、ものすごく腰高なスタイルで、他のプロペラ機とは違う存在感がある機体だ。

◇参考資料
1) 第二次大戦 ドイツ軍用機 航空ファン別冊 No.33