MODELLBAU
1:48 Mcdonnell Douglas F-18A Hornet (Monogram)

F-18A_1
製作:2002年6月25日
記事:2002年6月27日
1/48スケールのF-18(このキットの頃、F/A-18とは呼ばれていなかった?)のキットとしては最初に出たキットだと思うが、モノグラムらしいキットで、全体形やモールドなどはすばらしいデキである。
しかし、作りやすさの点では、F-18の基本的形状やモノグラム特有の部品一体化方針などに起因して、あまり作りやすいキットとはいえなくなっている。
キットは、A-18 Strike Fighterとなっており、レーザシーカとEMIポッドをぶら下げる以外選択枝がなく、攻撃モードでしか作れないようになっているのが、やはりモノグラム的キットである。

◇コクピット・キャノピー
コクピットは、モノグラムらしいデキで、調べた範囲では実機通りにできあがっているようだ。
例によって少ない部品だが、丁寧に塗り分けるだけで、感じよく仕上がる。このキットも、指定通りの色に塗り分け、白・黄・赤・青などでスイッチ類を塗ってアクセントとした。
HUDは、キットのままだとちょっとつらいが、作り替えるのはもっとつらそうなので、そのまま
射出座席も感じが良い。シートベルトは塗装部分に加えて、説明書に印刷された型紙を切り抜いて取り付けるようになっているが、替わりにメンディングテープで作ってある。

キャノピーは、バックミラーと取手が目につくが、バックミラーだけを追加してみた。

◇胴体
合わせ目の修正時に消えてしまう部分を中心に、パネルラインのモールドを彫り直してあるが、それ以外は、できるだけモノグラムタッチの部分を消さないように、キットのまま仕上げてある。
機首のレーダコーン直後にある、流線型のふくらみ(何かのアンテナ?)は、整形時のじゃまとなるので削り落として、整形後にプラ板で作り直した。
このふくらみは、初期の機体ではキットのように両側2個だけなのだが、最近の機体ではコクピットあたりの胴体両側と、前脚ドアに1個の5ヶ所に増えているようだ。
今回は、配備された直後(1983年〜84年ごろ)の設定とするために、ストレーキ上に追加されているフェンス?も含めて、改修はしていない。

◇主翼・尾翼
F-18の主翼は、後ろから見ると微妙なラインになっているが、このキットはそのラインが良く再現されている。
翼下面の動翼ヒンジや、翼端のミサイルランチャーなども、モノグラムとしては珍しく別部品となっていて、実感ある仕上がりとなる。
ただ、胴体と一体になった主翼上・下面は、フラップの根元の一部が実機のパネルラインとは違っている。これは、たぶん、パーツの落ち込みを防止するための対策と思われるが、上・下面部品を張り合わせた後では、整形がしにくいので、実機のパネルライン通りパーツを切り分け、整形してから上・下面部品を接着した。

水平尾翼は、左右一体となっていて、胴体上下に挟み込むようになっているが、もちろん整形作業しづらいし、左右をつなぐロッドが折れやすい。ここは、胴体にプラパイプを仕込み、胴体の整形が終わってから新たにロッドを通して、左右が連動するようにしてある。

垂直尾翼にはちょっとミスがあった。中央部にパネルライトのモールドがついているが、外側だけでなく内側にも同じようにモールドされている。これは、もちろん、外側だけが正解なのだが、今回、垂直尾翼のパネルライン彫り直しを行っていないのと、気が付いたのが塗装工程に入ってからだったので、修正しなかった。

◇エンジン・エグゾースト
エアインテークは、エアダクトを再現しようとしたり、エンジンファンを覗かせようとすると、複雑なパーツ割りとならざるを得ない形状なので、このキットにように割り切った作りもいいと思う。意地悪く前からのぞき込まない限り、気にかかるものではない。
こういった作りのおかげで、F-18のキットとしては、エアインテークまわりのパーツの合いは良い。

エグゾーストは、胴体と比べてちょっと径が不足しているようで、段差ができてしまった。

◇降着装置
脚庫内部も含めて、モノグラムらしいタッチでできあがっている。さらに、モノグラムらしくなく、細かいロッドや、ドアを開くリンク、固定用のアイリングなどもパーツ化されており、一見、精密感あふれる感じだ。
しかし、実機写真と見比べると、ちょっとオーバースケール? と思える部分もあるし、何と言ってもどういうふうに組み立てるのかが、良く判らない。

脚庫扉は、内側に押し出し成形のピンが、大きく出ており、整形が必要だった。前脚扉は、前後3分割されているが、写真と見比べると、向かって左側に開く2枚の相互関係が、ちょっと実機と違うようだ。ただ、胴体のパネルラインとの関係は、さほどおかしくはない。どちらにしても、修正は難しい。

F-18A_2 F-18A_3 F-18A_4
◇小物
胴体中央にキット指定通り、増加タンクをぶら下げ、胴体両側パイロンは、レーザシーカとEMIポッドが作りつけなので、そのまま。
主翼下面の4ヶ所のパイロンには、キット指定通り、レーザー誘導の500lb爆弾を搭載。主翼端のサイドワインダーも、キット指定通りに搭載した。
その他、作業中に折れてしまったアンテナ類はプラ板で再現。その他は、キットのパーツを使ってある。

◇塗装・マーキング
塗装は、Low Visibility(ロービジ)塗装で、下面:FS36375、上面:FS36495である。脚庫内部や内側は白色だが、部分的に脚庫扉のエッジが赤に塗られている。
マーキングは、キット指定マーキング、VFA-125の01号機としたが、このマーキングは、古い航空ファン:1981年4月号に、VFA-125編成記念塗装として、写真が掲載されている。
ラダーの塗り分けをデカールを使わず、塗装で行った以外は、キットのデカールを使用。垂直尾翼先端の「01」もデカールだが、白色だとちょっと派手な気がしたので、ライトグレイのFS36375でタッチアップしてみた。
設定として、配備直後の記念式典時としたので、爆弾もサイドワインダーもイナート弾のブルーに塗装した。明るい塗装なので、スミ入れはグレイ系のアクリルカラーを使って、ほんの少しの範囲にとどめてある。

◇まとめ
本格的な1/48ジェット機の2作目。モノグラムということで、ほぼ、キットまま組み立てましたが、ロービジ塗装のご利益もあって、感じよく仕上がったと思う。
F/A-18は、ハセガワのハイテク・ハイプライスキットと、イタレリのE/F型があるが、まだ両方とも購入していない。
さて、あまり、好きな機体でもないし、どうしたものか?

◇参考資料
1) 航空ファン 1983年7月号
2) 航空ファン 1984年4月号
3) その他、たくさんのインターネットホームページから